「寂しい」と 我の名前を連呼する君の名前を 呼ぶことはなく
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ジジババの話に興味あるとでも 「OB・現役懇親会」なる
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この恋は オムレツみたいに やわらかで ひとたび裂けりゃ 溢れ出す
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言えやしない 君が好きだと 思えども 君と俺は 同じだから
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蝉よ鳴け騒々しくも燦々と 無音は静かな注意報
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夕焼け空 精霊とんぼの群れ遊び 亡き母重ね お帰りと云う
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学校に居着いた犬よ授業中ぼくといっしょにあくびをしてた
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「こんな俺だけど結婚してください」半透明の膝をつく彼
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ひもすがら命を守るエアコンに足を向けずに埃を払う
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灼熱の列島パズル埋めるよう代表決まる甲子園かな
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学んでも暗示に勝る薬無し すっぴんスカートそれでも良いの
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逃げ場なき暑さに倦んで怠き昼 ふと思ひたち小野リサを聴く
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タワマンの踊り場座り眺めおる生の蝟集の焼け付く夏に
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こりゃ暑い 真夏の日射 記録的 ふらふらしてる 足取り散歩
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理不尽な 痛みや苦労 耐えてきて 何を頼みに 生きているのか
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のんあるの 日本酒風味サイダーを とろろ蕎麦で呑み これって通かな?
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輝きて浮上昂揚したる日も確かにありて夏の陽炎
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神様を 信じていない 人間は 何を頼みに 生きているのか
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ああまずい 神の助けが ない限り クビになっても おかしくないな
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上長に 言いつけるぞと 脅されて ビビっちゃいない 爺の世代
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清くなれ 正しくなれと 言われても 息がつまれば 地獄じゃないか
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辞めてくれ 言われる前に 辞める程 素直じゃないよ 執念深い
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目も弱り 耳も聞こえぬ ようになり 頭もボケて こりゃたまらんわ
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暑ければ 暑くなるほど 不機嫌に なる愛妻も 七十を過ぎ
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デカメロン まだ早すぎた 収穫も 経験として 感謝感激
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蝉時雨 つるの巻かれし 細き茎 開花を待ちをり つぼみの百合
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ねこ母のパジャマは 全て猫柄で どれも大事に大事に着てる>おしゃれ着洗い2回目中
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二死満塁夢はグラブをすり抜けて三年生の夏は終わりぬ
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クローンも同じ柄にはならぬと知って狂科学者の卵のオムレツ
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井戸水を水源とするこのプール 酷暑の夏も常に冷涼
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