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この街の正体知れる春なりき分かってるわよそんな事など
9
確実に一生縁のない高級マンションの前、通って工場へ。
7
はだか木に鈴懸の実の風に揺れコシノヒガンは一分の芽吹き
17
敗戦に 力が抜けてぼんやりと 思考も気力も ダダ下がりの午後
16
生と死が隣り合わせの窓口で 死の側を証明する あなたの \ ファーストキス 1ST KISS
5
この道で 毎日見ていた はずなのに 思い出せない 更地になる前
20
「将来の夢は大谷」と答える子 水面がゆらめくが如く まぶしさ
10
ハスの花散り往く貴方といない日に眉下げるのは僕だけらしい
4
サムライがひと足早く散り果てて 開花を急ぐ桜列島
19
包装の 角が刺さりて 血が滲む 指の肌(はだえ)の 老いて衰う
17
空に寄り きわめて弱く命吹く 月の隣を歩けるかなと
5
かびていたのかもしれないパンと同じ匂いを風の中に感じて
13
君を知る 父母も知らぬ 君の世界 はじめて触れる 君築きし歴史
12
「あれ?私、何年彼氏いないんだ?」と指折る先輩。五秒の沈黙。
6
短歌なんて恥ずかしい趣味だと気づいたよ。歯を食いしばる妹を見て。
5
黄昏れて 底冷え著き 夜の街に ひもじさつのり 出でて来にけり /SARASA HOTELなんば
9
飯が先 風呂が先かと われ思う 故にわれあり 夕さりにけり /われ思う故にわれあり
7
後頭に 野分の如き つむじある 白髪頭が 目の前にある /珍しいつむじの位置
10
切れる筈の 切り込み切れず この婆(ばば)を おちょくっちょると 鋏取り出す /切れぬ切り込み・切れる婆様
7
あの頃は幸せ過ぎて友だちを失くしたのってきみはほろ酔い
24
金魚二匹カーテン透けて陽に泳ぐ
W
B
C
終戦の午後
11
三ヶ月、三月、別れる頃合いよ? 目線でイチャイチャ、しやがって、さぁ〜〜〜!!!
4
好きだけを言葉にしていてくれないか桜散っては返り咲く四季
3
煙立ちルリカケス鳴く
蜻蛉島
(
あきつしま
)
とヤポネシアの重なる座標で
6
土曜日の夜はひたすら歩いてた。何だか川が見たくなったから。
3
トランプで 引いてはいけぬ カードあり 「
Pique Dame
(
ピケ ダーム
)
」 スペードの女王
11
文にない紀貫之の恋を浮かべつつ雲のただよう空を吸う
10
少しだけ睡りよ来たれ昼下がり 電気ストーヴ内腿にあて
14
おへんじを待つように「これがいい」と落書きされたBOOK・OFFで買う俵万智
9
原っぱで立ち止まり 見下ろす少女 四葉クローバー探すかの如
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