ヒヨドリや甲高き声寒空へひと矢放ちて姿消えゆく
19
母の背を追ひ越し時ぞ誓ひけり 嵐の日こそ傘をさすらめ
23
黄巾の乱をおもはすオレンジのジャンパー羽織り手をふる若人
14
『最強王』ホッキョクグマの子殺しの慟哭に泣く児の誕生日
13
マグカップ 両手でそっと 包みこみ 冷えたこころに 暖めぐらせる
12
緑内障 重い眼に 喝入れて カッと開いて 真実を見よ
5
目薬の 一滴二滴が 効能に 関係かあるか わからんけれど
3
芝の上セラピー犬を抱く母 末期まつごの時を薫風はつつみ
23
雪の舞う義母ははの忌日の墓参りローソクの火も早々に消え
29
餅つきの準備のための餅米は前年よりも二倍の価格
17
デコられたシール手帳を並べだす子ども食堂に集まりし子ら
27
サクサクのパイを君と分かち合う今年はじめのガレット・デ・ロワ
15
氷点下6度の夜を越えた朝 カップを取った指から解けそう
15
詠む力楽しむ力がどこにある我がはらぞこを探しつづける
13
ひと月ぶりようやく会える単身赴任 会えるときより優しく想う
12
5分間フロム鉄道停車あゝショーズの滝にフルドラ踊り
18
O脚とむくみ解消一分のおしり筋トレまだ若いから
24
濯ぎてむ 雪に埋もる言霊を 夜明け前こそ君に捧げむ
18
あと一日で一月終わる朝 ふと思う こうして過去が出来ていくこと
7
感覚も失せる程 凍へし両手かざす ストーブの匂ひ 昔日
27
成果に自信はないが 継続はできる好きなこと 今日も続ける
14
若くなることはできないから呪うそんな大人になりたくなかった
8
ふさふさと蕊(しべ)の際立つ梅の花憂い帯びたるまつ毛のように
15
竹を食むパンダの消えし園のなか働く人の靴の音ひびく
40
春をまつ町でジャージの二つがいアオハルの夜熱をおびつつ
13
天上の空を陣取る黒雲を店主と見上ぐ公園マルシェ
44
冬尽きてめくる暦の処女雪は君の「バイト」に汚されていた
5
寒波来て 老いの身凍ゆ大寒の 震えて待つは小春日の空 
29
恵方巻き ひとくち食べて 美味いと言う 俺の頭を キミははたいた
6
ふたおやの齢超え生く妻の目に映るかなしみ われそばにいて
23