Utakata
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杏樹
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日々を切り取る三十一文字
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トゥルトゥルと髪が流れたその先に健やかである躰があった
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わたしにはなれなかったよ たくさんの女偏つくあなたの
彼女
(
ひと
)
に
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五時半にタイムカードを打刻して上司の会議に召喚される
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うかうかに憧れ植えた瓢箪は育成失敗引き抜きほかす
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憧れに必死でもがく滑稽な君を笑いに変える奴は敵
6
ギャルアユと 浜崎あゆみ カラオケで 並べたときの 時代のエモさ
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燃える火のように広がる彼岸花赤から茶色に燃え尽きる花
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ミシミシと痛む右足かかえども進むミシンはいつもまっすぐ
11
トントンとすっぱいキムチみじん切り韓国風に炒飯にする
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好きですと破り渡した綴じ手帳 次はルーズリーフにするぞ
6
あの月の流れる光あらわす「語」 残念ながら私は知らない
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芳一のゾワゾワ怖さ払いたく日焼け止めをたっぷり刷り込む
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あつあつを抱えて帰るカレーパン 滲む油がよだれにも似て
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しっとりと空からひびく言葉たち 伸びる思いを育てる結界
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ズルズルとすする深夜のカップ麺 罪と癒やしとカロリーの味
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ワクワクと溢れ流るる好奇心心の奥をレンズで覗く
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台風の赤い夕陽の燃える空きっと天気になる明日のため
9
リンリンとミンミンがなく境目をテーキーラサンライズ噛み飛ぶ
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流体に 心細げに飛ぶ 燈 祖から受け継ぐ 今が幸せ
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ふわふわと 夜海に浮かぶ 灯籠が ここはタイかと錯覚させる
6
ツツツツと迷いを捨てて突き進む飛行機雲をお守りにして
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ちらほらと季節外れに薄紅の祇園の山の桜舞い散る
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たらたらと流れる甘露飲み込んで漉してあらたなたらたら作る
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うえしたとさゆうに振ったコンダクター興味関心LikeにNope
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太陽と 形が似てる ウイルスが HEATを上げて 混乱落とす
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祭り開け「あれはやばい」という人が次の祭りを創るX
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ごくごくと喉をわたった氷水胃の腑のあたりがキンとなる水
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付け爪が外出先で落ちた時かわいさゲージ瀕死で嗤う
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とんとんと刻む野菜をじゅうじゅうと焼いて浸した夏の活力
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ぐるぐると伸びゆく蔓のその上に朝を知らせる蕾が宿る
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