杏樹
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日々を切り取る三十一文字

読む本と読まなきゃいけない本の間に読むべき本をそっと押し込む
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春うらら 水車停車す 水底に 咲いた咲いたコスモス咲いた
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仮の名で呼ばれることに慣れすぎて真の名前を名乗れずにいる
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山笑い 笑いすぎた 目の端に 涙滴り 次の季節に
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腕時計忘れたその日思い出す1日8回時間を知ること
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りりちゃんは可哀想な人なのか?光と闇の闇が煌めく
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魔女のキキいるなら買いたいその母のとてもよく効くくしゃみのおくすり
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後ろから包丁で刺す鋭さで心臓砕く好きの告白
6
おはようを言いたいために繋ぎたい一緒による超す深夜のもちもち
5
チョコレート チキンラーメン うまい棒 2月はたなを買い占めたくなる
8
ちらほらと舞う雪の子のその腹は誰も言えない黒い核あり
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この人と同じ墓で眠る日が叶うバラに祝福された日
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「弁当をつかう」と表す君の背に見えた育ちの良さげな先祖
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もし明日が 都市が潰れた 世界でも 針と糸とで 未来をみせれる
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背伸びして キスし別れた その夜の 心を埋めた ドーナッツの穴
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Mの字が再びバズる片鱗に 感じたオレンジ色した青春
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キミボクの間に二乗の斜め線引いてなりたい三角形に
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夢の中季節外れの金木犀 禁断の味 歯が痛いから
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むしゃむしゃと深夜に食べるマドレーヌ今日の痛みを埋めるカロリー
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「さよなら」とサ終となったどう森のドッペルキャラがあつ森に来る
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トロトロに崩れかけたじゃがいもに寒さという名のスパイスかける
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トゥルトゥルと髪が流れたその先に健やかである躰があった
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わたしにはなれなかったよ たくさんの女偏つくあなたの彼女ひと
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五時半にタイムカードを打刻して上司の会議に召喚される
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うかうかに憧れ植えた瓢箪は育成失敗引き抜きほかす
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憧れに必死でもがく滑稽な君を笑いに変える奴は敵
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ギャルアユと 浜崎あゆみ カラオケで 並べたときの 時代のエモさ
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燃える火のように広がる彼岸花赤から茶色に燃え尽きる花
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ミシミシと痛む右足かかえども進むミシンはいつもまっすぐ
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トントンとすっぱいキムチみじん切り韓国風に炒飯にする
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