杏樹
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日々を切り取る三十一文字

眠れない君に寄り添い語りかけ休みの意味のありがたさ知る
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うぐうぐとそれでも沁みる発泡酒おでんのそばで一人年越す
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しぱしぱと乾く目元にじんわりと沁みる涙は応援部隊
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待つ人のいる人と逢うその前に香水テスターオーラに纏う
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凍り付く冷気の元は窓の雪冷たい両手鳴らないスマホ
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絶対に辞めれぬものは何もない。酒もたばこも、仕事呼吸も。
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ゆっくりと氷砂糖が溶けるよう難解な本頭に沁みる
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雲海の白いマフラー首に巻く山もきっと寒いのだろう
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マイクラで脳を溶かして3時間。私の城は電子物件
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平置きの画集に檸檬を置いたその子らがアボカドぶつけ粉葉みじんに
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二年前渋谷でなくした純愛が今朝新宿でぶつかり出会う
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形骸化した呼ばれ方だけれどもあなたに「奥」と呼ばれたかった
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ぷつぷつと 木の実の多い シュトレーン クリスマスまで カウントダウン
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ペタペタと 水炊き出汁の コラーゲン 明日のお肌は 寒さに負けない
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わからない 言葉にイラり 湧く黒い 嫉妬にも似た 敵意の言葉
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ぽろぽろと ギターをつま弾く 彼の爪 私の心に 傷つけていく
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ササささと もみのり・チーズを 護衛にし 嚙み切るリズム 行進のもち
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アンチノミー ダブルバインド トレードオフ 二律背反 アンビバレンツ
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彼岸花燃える岸辺を駆け抜ける小さき母が無邪気に笑う
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情熱の 蒼き炎を 燃えたたせ  キミはキミの世界に君臨
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数日の「秋」を彩る紅葉たち 木から水へと居場所を探す
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バイバイと見送る背中に カツカツとエア火打石 浮気封じに
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カツカツと ボールペンでリズムとる 机上のリズム 焦りのリズム
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紡がれた言葉を するめの如く噛み 広がる味は 純文学の
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締時間 多彩なアイテム 投げる僕 キミは一言 ありがとしかない
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イベントの 締め前アイテム 飛ぶ枠で 私の推しは ありがとBot
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鶏がらの煮汁にカボス絞り入れ 素材を料理にイメチェンさせる
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鶏がらのスープにカボス絞り入れ醤油一滴 黄金が滲みる 
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情熱の 蒼き炎を 燃えたたせ キミの世界の 君主たるなれ
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「これが好き」 ちいかわ沼の君が言う あなたはハチワレじゃないくせに
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