杏樹
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日々を切り取る三十一文字

名月を 愛の言葉に 変えられて ピュアに愛でるを シェアできないよ
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さようなら 終了までの 辛い日を かみしめながら 仕事をこなす
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インカムが なくなることで 貧するは 財布でなくて 私の心
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欲望を 108叩いて 玉にして どこかに置いて 忘れ去りたい
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「オレ様の 殴ったモノは みな燃える」 今の憧れ 富樫の芭蕉
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ネイティブが ひょいと超えてく 意思疎通 Re:から始めて 戸惑う私。
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ぷちぷちと LINEに文字を 埋めてみて 送れず消して 繰り返してる
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あるのなら それはきっと 苦いから 端だけかじる 情熱の花
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らんらんと 光るお子の 両瞼 眠れと念じ ゆるく閉じさせ 
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引っこ抜く 女王蜂は 「はね」を「ね」に この地で一生 生きる覚悟で。
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なにびとも 知らない私の 可能性 履歴書に書き 商品になる
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とんとんと 凝ったこめかみ タッピング アイデア降るよう 雨乞いをする
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ザラザラと 舌の上で 転がした 今を壊さぬ 「好き」の言葉を
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変わらない 変われないもの コアとして 削られていく 外側の僕
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あの推しの 歌が聞こえる Spotify 今日も誰かが 音に溺れる
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ボロボロと 日焼け止めが 固まって レオパのような 抜け殻になる
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スマホから キミの声が 流れてく 空気が変わる 今日も眠れる
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ポロポロと 忘れたはずの ソナタ弾く 私の指は 雪国だった
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ふわふわの クリーム乗った カプチーノ 午後の気力を 生み出すクスリ
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ニチニチと 小さく握った おにぎりが 運動会の 思い出だった
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ゴシゴシと 削ることが できたのは 心じゃなくて 表層だった
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とくとくと 夜の夜長の 相棒に ちっちゃい日本酒  おっきな満月
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蜘蛛の巣に 絡めとられて 見た景色 好きばかりある 天国の前
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深夜2時 寝ぼけた頭に レモネード 酸っぱい刺激で 夜勤に備える
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ぶんぶんと イヤーワームが 動き出し 大合唱が 始まる頭
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ぷくぷくと 湧いてる気泡 サイダーに 入道雲が 乗ればフロート
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続々と 新種の言葉 生まれてく 今日ぶつかった 「ダパサつき」だった
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ミンミンが リンリンになる 黄昏に プシュっという音 付け加えたり
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さよならと 泣いたあなたを 見送って 流せなかった 涙の供養
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ざくざくの オニオン・レリッシュ 言い訳に  ジャンクなホットドック頬張る
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