夢みたい あなたを好きになってから自分のことも好きになれるの
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秘密だよ わたしがクラゲだったこと 橋の向こうまで海だったこと
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「焦がれ香」たぶんきみも好きなはず言葉に色挿し綴る便りに
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余白には白群びゃくぐんのきみまだ知らぬ焦がれし原野を耕している
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赤い日の 夕暮れ二人 君と僕 頬が赤いのは 夕日のせいさ
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貞子さん振られる予感秋の雲コーヒー二つゆっくり冷める
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たえざるは風に吹かるる公孫樹―だいだいの子ら、蝶になりゆく
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椋の葉に磨かれよ君、人間が この惑星飾る寶玉爲れば
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花の雨 カーテンコールに降り注ぎ 跪くしかできない僕は
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とは言えど在るものはみな在るだけで誤りであるような気もして
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ともすれば世界の印刷ミスであるあまりに電灯だらけの夜景
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猫がいた 写真を撮った 不特定多数に見せるつもりで撮った
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サボテンに水をかければにんげんになればよかった冬せまりくる
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「『死ねよ』」とか、そんな陳腐な一言で、人は死ぬよ」 と、言っていた遺体キミ
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走り去る 電車の音を知らないで 生きていたかと今更に知る 
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僕たちは天使のあの子の目が四肢が光を集めるさまを見るだけ
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叶わない 敵わないとは知っていて 膝をついてもペンは置かない
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深淵を覗き込むより地獄より 恐ろしいのは貴方の笑顔
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誤って生まれてしまった家ひとつ葬るための虹をかけよう
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君からの、たった一言の「すごいね」で、何百回でも頑張れる。
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秋深し蔦のバス停時刻表旧尋常小学校前
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なくしもの 定期に有線 思い出の店を有毛細胞にかちこむ
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僕などを追い越してゆく歌たちが 先にあなたに会いにゆくでしょう
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おそらくは辿り着けずに沈むだろう それでも僕は流し続ける
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窓の外 時雨に打たれ 響くのは 唐紅の ブルーベリーの葉
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逢いたいと思っていたのが懐かしい 記憶の中のあなたに微笑む
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朝七時 瞼の上にキラキラ乗せる 今日も私は「女」になる
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今はもう 夢の中でしか聴こえない 貴女の声に耳傾ける
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絶望が愛と呼ばれた慣習に倣う気はない それだけである
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雨垂れがキン・コン・カンと打ち鳴らす観音びらきのおれの肋骨
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