しおはま    フォロー 80 フォロワー 61 投稿数 225

初めて詠みます。よろしくおねがいします。

やわらかなトランスのなか生きていく命が朽ちて雪になる冬 

人生のはじまりにあるカフェーではコーヒーはただしろくてあまい 

しにざまに文字情報はふくまない来世にコールつないでください 

にわか雨みたいな殺意すぎさって見えた晴れ間にとりのこされる 

かみなりが近くにいると耳元でささやかなくちゃいけないきまり 

ベランダから忍者を飛ばすビルを越えワゴンに乗って(あ、落っこちた) 

極寒の星のいただきに生まれた窪みに文学と名付ける 

まよなかの店頭に投げだされている異常に安いシャインマスカット 

神様のおやゆびの爪にしがみつき世界観からはみだしている 

最終流星群が降ってくる夜に人工知能の値段を決める 

すこしだけ遠くへ行ってみたかった裏切るつもりなんてなかった 

白布で覆い隠した真実がくちびるからあふれる料理店 

人間も消費期限があるらしい暑すぎる夜に朽ちるアボカド 

熱気・悲鳴・諦めた世界・ヒステリー すべてリアルできみだけ虚構 

「強いて例えるんだったらヤムチャかな」恋の終わりはこんなに近い 

遮断器で区切られている十五分過ぎる表裏をふたりで見てた 

満月を卵液に浸し焼いていく職人住まう真夜中キネマ 

傷がつきやすくなってきておりますやわらかい布で拭いてください 

詩情さえ置き去りにして消えるなら代わりにぼくが李徴となろう 

AIが奪いに来ればこんなことしなくていいと言い聞かせてる 

ひとつきに一度読みたい本がある二度と会えなくなる人もいる 

駅前の広場を満たす音声は選挙でしょうかいいえ母です 

すき焼きにうどんを入れるあいだだけ世界人類みんなで祈る 

歯が抜けたベンチが駅前で朽ちる急行は止まらずに過ぎ去る 

青インクこぼせしベッドの天蓋のロールシャッハは愛を語りぬ 

こんなにも乱されたのに涙すら出ない潮騒を聞きつづける 

心労のしんしんと降る十一時濡れた寝床ですこしだけ伏す 

まっすぐにケーキを切れたあなたなら海もまっすぐ渡ってゆける 

次こそはあしたこそはと言うたびに無限に増えるあかいふうせん 

若かりし頃と呼ぶなら呼べばいい空を飛びたいなら飛べばいい