Utakata
登録
Login
しおはま
フォロー
96
フォロワー
80
投稿数
316
初めて詠みます。よろしくおねがいします。
1
2
3
4
5
…
次 ›
最後 »
人が死ぬニュースがあった夜更けでも無言で咲いた白の紫陽花
9
定型に当てはまらない人生もうたのなかでは定型である
8
机から出られない教科書たちのホームルームは夜に始まる
12
うたの葉は春一番で舞い散って手の内側に音だけ残る
4
白銀の碇を抱いてきみのいる海の底までたどりつきたい
3
GitHubの奥に片手を突っ込んで終わったぼくを取り戻してる
5
銀色の風に呑まれて洞窟の奥でさまようもぐらの子ども
5
ライオンが口から出した水なのに崇めるように無言で飲んで
3
波際に並んで立てばあしたには海亀が連れ去ってくれるよ
4
きみ抜きで沈む夕陽があるようにジンバブエにもあやとりはある
5
近道を三回以上した人は出られなくなるらしいよ、IKEA
2
夕立のときだけ思い出してみる傘をなげうち駆けた日のこと
13
夕暮れの続きすぎてるしりとりをやめさせるため「終焉」がある
6
くたびれたブラウン管の奥深くあのブローチはしまいこまれる
4
もういないひとを両手でつつみこみ
三十一文字
(
みそひともじ
)
の箱へ納める
13
散歩する犬の後ろをついていく飼い主めいた愛情でした
14
本人と書いたたすきを掛けたまま無言でじっとこちらを見てる
4
前足でシャッターチャンス蹴散らしてねこはいつでもとびだしていく
19
墓石の代わりのようにおごそかにダイワハウスの旗はゆらめく
8
幸福の証のような紅散らすカーネーションに生まれ変わろう
7
朝もやに包まれながらゴミたちがパーテーションで区切られている
4
きみに似た朝陽を隠すためだけに完全遮光カーテンを買う
11
早暁に二匹の猫は東へと至る小道を駆け抜けていく
7
そこにあるひとつの死すら透明になってしまった駅に埋もれて
9
おそらくはこの世すべての洗剤をママレモンだと知覚している
6
だれひとり口にしないがこの場ではゴールデンさは感じられない
6
人類が滅びたあとも水平にすすみつづける株価のグラフ
16
荒波に舟は呑まれる明け方の命ひとつを四捨五入して
10
詰め襟のホックをはずし駆けていくはずだあの子がここにいたなら
7
夢でだけ会える屋根裏在住のねこさんいつも背を向けている
6
1
2
3
4
5
…
次 ›
最後 »