しおはま    フォロー 72 フォロワー 52 投稿数 194

初めて詠みます。よろしくおねがいします。

林檎飴に紅を灯したあの夜の縁日の終わり見つけられずに 

コンビニのスプーンたちは微睡んでたった一度のくちづけを乞う 

善という字の横棒を数えあげ組み直すだけの悪のお仕事 

口元が見えないままのおわかれが許せなかったソーシャルな距離 

ここにいる理由がわからない夜にしずかにそっとひらいたまぶた 

レイドボス発生時のみ路地裏で会えるさくらの帽子の君よ 

五メートル先の背中を追いながらもう繋がない右手を握る 

海中のごとき青さの中をゆくおれは日暮里・舎人ライナー 

「死の開花信号受信しました」と答えてさくらはじめてひらく 

空白になる焼け落ちる金閣を見上げる焦げたまぶたをひらく 

ラーメンと唐揚げ定食どっちがいい?エンドロールに落ちるささやき 

あなたより尊い神が生まれない世界でアメノウズメと踊る 

秋の日はつるべ落としといいますがでは冬の日はなに落としでしょう 

音漏れの知らない曲のアウトロのきわに挟まれもう動けない 

社会的意義を棄てつつ詩情だけ読みあげている朝のレイディオ 

『東南が吉』のお告げを聞いた者のみが集った黄昏のイオン  

明日の二時錦糸町駅南口に立つ老婆こそ未来のきみだ 

フェルメール色と呼ばれるあの青の絵の具がないときみが塗れない 

たましいを宿してゆらぐ灯籠よ天国までの道を教えて 

ドラえもん宇宙できみとランデヴーさせて?道具はなしでいいから 

頼むからパリにはお寿司などないと言ってくださいただ彼のため 

台風の目につつまれた戦場が無風の中で色を喪う 

きみがいま愛とか呼んでいる瓶の中身がなにか知っているのか 

しおりなどついていないと思ってた本からのびやかに出るしおり 

ロウリュ時に解き放たれた蒸気からできておりますこの御茶ノ水 

この星のまばゆい夏の引力で真桑瓜たち落ちては光る 

(バオバブが本の端からこぼれだす)見えているから大切じゃない 

二十三世紀でもまだひとりだが散歩みちにはシャクナゲ香る 

おそろいのものを食してみたかったカルディなんてないこの町で 

ふしんしゃという単語だけ鮮明な隣のまちの防災無線