しおはま    フォロー 67 フォロワー 50 投稿数 188

初めて詠みます。よろしくおねがいします。

五メートル先の背中を追いながらもう繋がない右手を握る 

海中のごとき青さの中をゆくおれは日暮里・舎人ライナー 

「死の開花信号受信しました」と答えてさくらはじめてひらく 

空白になる焼け落ちる金閣を見上げる焦げたまぶたをひらく 

ラーメンと唐揚げ定食どっちがいい?エンドロールに落ちるささやき 

あなたより尊い神が生まれない世界でアメノウズメと踊る 

秋の日はつるべ落としといいますがでは冬の日はなに落としでしょう 

音漏れの知らない曲のアウトロのきわに挟まれもう動けない 

社会的意義を棄てつつ詩情だけ読みあげている朝のレイディオ 

『東南が吉』のお告げを聞いた者のみが集った黄昏のイオン  

明日の二時錦糸町駅南口に立つ老婆こそ未来のきみだ 

フェルメール色と呼ばれるあの青の絵の具がないときみが塗れない 

たましいを宿してゆらぐ灯籠よ天国までの道を教えて 

ドラえもん宇宙できみとランデヴーさせて?道具はなしでいいから 

頼むからパリにはお寿司などないと言ってくださいただ彼のため 

台風の目につつまれた戦場が無風の中で色を喪う 

きみがいま愛とか呼んでいる瓶の中身がなにか知っているのか 

しおりなどついていないと思ってた本からのびやかに出るしおり 

ロウリュ時に解き放たれた蒸気からできておりますこの御茶ノ水 

この星のまばゆい夏の引力で真桑瓜たち落ちては光る 

(バオバブが本の端からこぼれだす)見えているから大切じゃない 

二十三世紀でもまだひとりだが散歩みちにはシャクナゲ香る 

おそろいのものを食してみたかったカルディなんてないこの町で 

ふしんしゃという単語だけ鮮明な隣のまちの防災無線 

レジ袋有料になったこの星を詰める袋はどの売場ですか 

十世紀前の逢坂くれないの満ちる空へと跳んだ蝉丸 

珈琲のしずくはきょうも破裂した怒りに舞ってキッチン染める 

終点の浦和美園で逢いましょうイオンモールに骨を埋めた日 

今朝もまた浮かぶメアリー・セレストの風景に似た湯気の珈琲 

教科書のなかで舞い散る金色のエリスの嘆きノートに写す