Utakata
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しおはま
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初めて詠みます。よろしくおねがいします。
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墓石の代わりのようにおごそかにダイワハウスの旗はゆらめく
8
幸福の証のような紅散らすカーネーションに生まれ変わろう
7
朝もやに包まれながらゴミたちがパーテーションで区切られている
4
きみに似た朝陽を隠すためだけに完全遮光カーテンを買う
9
早暁に二匹の猫は東へと至る小道を駆け抜けていく
7
そこにあるひとつの死すら透明になってしまった駅に埋もれて
8
おそらくはこの世すべての洗剤をママレモンだと知覚している
6
だれひとり口にしないがこの場ではゴールデンさは感じられない
5
人類が滅びたあとも水平にすすみつづける株価のグラフ
12
荒波に舟は呑まれる明け方の命ひとつを四捨五入して
10
詰め襟のホックをはずし駆けていくはずだあの子がここにいたなら
7
夢でだけ会える屋根裏在住のねこさんいつも背を向けている
5
月面に打ちつけられて真空を旅しつづける科学の子らよ
4
降雪の影響によりきょうだけはコールできます白の世界へ
4
この道に果てがあるなら教えてよ必ずそこでひき返すから
7
あやとりと射撃それからやさしさとどんな場所でも寝られるスキル
6
感情を振りきっていけ振り向くな足を止めたらしかばねとなる
6
待っている人の思念は渋谷へと集まり犬の形になった
17
鳥たちが薔薇を啄む楽園にわたしときみは必要ないね
2
運転を見合わせますが振り替えで空への道は開放します
7
逆光で隠したきみの表情は演繹法で決定される
3
やさしくて清い人から辞めていく場所にひとりで残されている
14
火口へとまっすぐ落ちていく光あなたはおれの松明になる
3
海のない町に生まれたことだけを悔やんではただ空を見ている
8
完全に染まりきるまで待っている青と赤との境目に立ち
8
置き捨てた制汗剤の缶のなかあの青春の気配は残る
8
人類がすべてのハンドスピナーを手放したとき扉はひらく
2
恋慕には音も匂いもないのだと知らずにすれちがう交差点
9
茜空つっきって飛ぶ燕らはぼくの悪事を密告しない
14
韻律を積みあげて飛ぶマンタならあの高みにものぼれるだろう
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