Utakata
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しおはま
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初めて詠みます。よろしくおねがいします。
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傷がつきやすくなってきておりますやわらかい布で拭いてください
8
詩情さえ置き去りにして消えるなら代わりにぼくが李徴となろう
2
AIが奪いに来ればこんなことしなくていいと言い聞かせてる
7
ひとつきに一度読みたい本がある二度と会えなくなる人もいる
8
駅前の広場を満たす音声は選挙でしょうかいいえ母です
2
すき焼きにうどんを入れるあいだだけ世界人類みんなで祈る
9
歯が抜けたベンチが駅前で朽ちる急行は止まらずに過ぎ去る
3
青インクこぼせしベッドの天蓋のロールシャッハは愛を語りぬ
5
こんなにも乱されたのに涙すら出ない潮騒を聞きつづける
3
心労のしんしんと降る十一時濡れた寝床ですこしだけ伏す
3
まっすぐにケーキを切れたあなたなら海もまっすぐ渡ってゆける
5
次こそはあしたこそはと言うたびに無限に増えるあかいふうせん
3
若かりし頃と呼ぶなら呼べばいい空を飛びたいなら飛べばいい
2
限りなく眠りに近いそれを捨てどうしてぼくはここにいるのか
4
林檎飴に紅を灯したあの夜の縁日の終わり見つけられずに
5
コンビニのスプーンたちは微睡んでたった一度のくちづけを乞う
7
善という字の横棒を数えあげ組み直すだけの悪のお仕事
4
口元が見えないままのおわかれが許せなかったソーシャルな距離
1
ここにいる理由がわからない夜にしずかにそっとひらいたまぶた
4
レイドボス発生時のみ路地裏で会えるさくらの帽子の君よ
3
五メートル先の背中を追いながらもう繋がない右手を握る
4
海中のごとき青さの中をゆくおれは日暮里・舎人ライナー
6
「死の開花信号受信しました」と答えてさくらはじめてひらく
2
空白になる焼け落ちる金閣を見上げる焦げたまぶたをひらく
2
ラーメンと唐揚げ定食どっちがいい?エンドロールに落ちるささやき
5
あなたより尊い神が生まれない世界でアメノウズメと踊る
7
秋の日はつるべ落としといいますがでは冬の日はなに落としでしょう
3
音漏れの知らない曲のアウトロのきわに挟まれもう動けない
1
社会的意義を棄てつつ詩情だけ読みあげている朝のレイディオ
4
『東南が吉』のお告げを聞いた者のみが集った黄昏のイオン
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