さかもかも  フォロー 8 フォロワー 9 投稿数 66

普段は絵を描いています。

死にたくない理由があるだけ 朝凪の町はとっても他人に似てる 

クリスマスツリーのてっぺん待つ人のいない誰かのためのてっぺん 

あの月になれない者もいたということだろ君の仮説によれば 

イヌという生き物になぜイヌという名をつけたかに愛しさがある 

ともすれば世界の印刷ミスであるあまりに電灯だらけの夜景 

おやすみを、洒落にならないおやすみを、言ってあなたのいる合歓の木に 

そうやって優しさばかり疑ってまたサボテンをひとつ枯らした 

夜更け前 地球のかたち地の球でなかったころの記憶ゆめ見る 

レグルスのかがやきのその穏やかに穏やかに星月夜を均す 

忘れていることだけ覚えているような朝焼け色の畦道を往く 

流星の八光年の渋滞とおぼしき夜のハイウェイにいる 

寒空の連絡廊下は五線譜の真上に架かったデクレッシェンド 

校庭の百葉箱の待ちぼうけに寄りかかっては眠っていたい 

アクリルのキーホルダーが鉄琴の音して通学路にこぼれる晩 

木琴の音でローファー踏み鳴らす 誰かに逢いにいくのでしょうか  

あかぼしの明くバルコニーを包むような真紅は二人に限られていた 

真夏とは言うけど真秋とは言わず 真秋を走る風になろうよ 

翼する役目を終えて銀色の表紙を畳むペーパーバック 

鈍色のモバイルフォンは明時あかときに雪の国へと繋がる予感 

にせものの小春日和のコスモスを秋の桜と書く魔法つかい 

薄暮れにひとりぼっちも儘ならずだあれもいないぼっちの僕が 

朱と青の空のトーンが重なって滲む地平の長さは無理数 

臆病に生きる 時雨に傘を差す おひさま味の水薬を呑む 

まんげつが光を落とす ひらがなで書いてあるかのように円やか 

まあいいや暦の上での晩秋に上着も羽織らず土手を歩こう 

リビングの高温多湿に出しっぱの愛の形がとろけて大変 

正門で君を待ちたい感情は郵便ポストに化けているのだ 

帰り道たったひとりに向けられた笑顔は名称未設定のゆめ 

常闇のなか突然のかがやきで黒猫の目もいよいよ君だ 

一途さの答えとなって落ちているあーしたてんきになあれのリズム