普段は絵を描いています。
死にたくない理由があるだけ 朝凪の町はとっても他人に似てる 2
クリスマスツリーのてっぺん待つ人のいない誰かのためのてっぺん 4
イヌという生き物になぜイヌという名をつけたかに愛しさがある 3
ともすれば世界の印刷ミスであるあまりに電灯だらけの夜景 18
おやすみを、洒落にならないおやすみを、言ってあなたのいる合歓の木に 4
そうやって優しさばかり疑ってまたサボテンをひとつ枯らした 5
夜更け前 地球のかたち地の球でなかったころの記憶ゆめ見る 5
忘れていることだけ覚えているような朝焼け色の畦道を往く 13
木琴の音でローファー踏み鳴らす 誰かに逢いにいくのでしょうか 6
あかぼしの明くバルコニーを包むような真紅は二人に限られていた 1
薄暮れにひとりぼっちも儘ならずだあれもいないぼっちの僕が 3
まんげつが光を落とす ひらがなで書いてあるかのように円やか 11