さかもかも  フォロー 9 フォロワー 9 投稿数 53

普段は絵を描いています。

アクリルのキーホルダーが鉄琴の音して通学路にこぼれる晩 

木琴の音でローファー踏み鳴らす 誰かに逢いにいくのでしょうか  

あかぼしの明くバルコニーを包むような真紅は二人に限られていた 

真夏とは言うけど真秋とは言わず 真秋を走る風になろうよ 

翼する役目を終えて銀色の表紙を畳むペーパーバック 

鈍色のモバイルフォンは明時あかときに雪の国へと繋がる予感 

にせものの小春日和のコスモスを秋の桜と書く魔法つかい 

薄暮れにひとりぼっちも儘ならずだあれもいないぼっちの僕が 

朱と青の空のトーンが重なって滲む地平の長さは無理数 

臆病に生きる 時雨に傘を差す おひさま味の水薬を呑む 

まんげつが光を落とす ひらがなで書いてあるかのように円やか 

まあいいや暦の上での晩秋に上着も羽織らず土手を歩こう 

リビングの高温多湿に出しっぱの愛の形がとろけて大変 

正門で君を待ちたい感情は郵便ポストに化けているのだ 

帰り道たったひとりに向けられた笑顔は名称未設定のゆめ 

常闇のなか突然のかがやきで黒猫の目もいよいよ君だ 

一途さの答えとなって落ちているあーしたてんきになあれのリズム 

完全な人のひとつの欠点に生まれたかったドーナツの穴 

奇数という言葉ひっくりかえしたら数奇であることほのめく9月 

「届く」こと「たう」と言ってる君がいる一番星に右手がたわない 

常温の桃サイダーの泡沫ほうまつのはじける音が打ち上げ花火 

もし君が星になってもザリガニになっても気付かぬ僕であろうか 

青天がプールの水面にぐらぐらと満ちて世界の不確かさだな 

始発乗る怯え 今にも朽ちそうな六等星もそう思うだろう 

昼中にパンジャンドラム楽器だと思い込んでる君の青シャツ 

町と町の間にあって孤独とは見かけの上の運動である 

きっとすべて無意味なのかも八月の空はこんなに青がってるのに 

真夜中を瞬く独り言みたく赤らかとした止まれの合図 

ブランコがぐわゆぐわゆと音を立てているのを僕すら聞いちゃいないの 

コンビニに電子決済広まって形失くしたたましいの町