Utakata
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さかもかも
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普段は絵を描いています。
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まあいいや暦の上での晩秋に上着も羽織らず土手を歩こう
7
リビングの高温多湿に出しっぱの愛の形がとろけて大変
4
正門で君を待ちたい感情は郵便ポストに化けているのだ
6
帰り道たったひとりに向けられた笑顔は名称未設定のゆめ
4
常闇のなか突然のかがやきで黒猫の目もいよいよ君だ
4
一途さの答えとなって落ちているあーしたてんきになあれのリズム
5
完全な人のひとつの欠点に生まれたかったドーナツの穴
9
奇数という言葉ひっくりかえしたら数奇であることほのめく9月
2
「届く」こと「たう」と言ってる君がいる一番星に右手がたわない
3
常温の桃サイダーの
泡沫
(
ほうまつ
)
のはじける音が打ち上げ花火
3
もし君が星になってもザリガニになっても気付かぬ僕であろうか
4
青天がプールの水面にぐらぐらと満ちて世界の不確かさだな
10
始発乗る怯え 今にも朽ちそうな六等星もそう思うだろう
5
昼中にパンジャンドラム楽器だと思い込んでる君の青シャツ
1
町と町の間にあって孤独とは見かけの上の運動である
4
きっとすべて無意味なのかも八月の空はこんなに青がってるのに
5
真夜中を瞬く独り言みたく赤らかとした止まれの合図
3
ブランコがぐわゆぐわゆと音を立てているのを僕すら聞いちゃいないの
3
コンビニに電子決済広まって形失くしたたましいの町
3
真夏日の光ゆがめて陽炎は黄泉の国への入り口となる
6
探査機が超新星の呆気ないおわりに「あっ」と声を漏らした
6
青空は濁りを湛え競技場のあなたは何を見ているだろう
5
ビイドロの
身体
(
からだ
)
抱
(
かか
)
えて
青嵐を咳き込む君が割れないように
3
黒板とチョークの
擦
(
こす
)
れる嫌な音が「こゝろ」という字の悲鳴であった
7
廃線を横切る君との一瞬にふたりでひとりぼっちになった
3
終電に傘を忘れてどうしようもなくきみのこともわすれるんだろ
10
歳時記の「お花畑」が咲く季節 日の烈しさが這うアスファルト
3
モルヒネも神経毒も何もかも疑わず街の明かりは灯る
2
■■■
(
密やか
)
にするから
■
(
恋
)
と
■■
(
呼ぶ
)
という
■■■
(
検閲局
)
の
■■
(
通路
)
は
■
(
暗
)
い
13
落日が
山間
(
やまあい
)
をふと飛び出して「眩しいだろ」と怒られている
3
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