Utakata
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Luna felice
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はじまりはじまり
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口づけはあなたのかさぶた塞ぐまで遠雷のような恋をしていた
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やさしい手でそっと撫でられたまま 消息不明の未読一件
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繁華街おもちゃのティアラつけた姫 花を迎える気配に包まれ
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咲くまでと手と手重ねし花の芽が
劈
(
ひら
)
いた音信きみは三月
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雪が裁つ まやかし呑まれそうな
夜
(
よ
)
に
友
(
きみ
)
の名前の補助線たどり
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知っているあなたの呼吸を奪うとき棘さえ香る春があること
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丸まった下着の横のマルボロとグロースターター切れている
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発熱の甘い倦怠指先が恥丘に棲まう鳩と戯れ
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陽だまりに傷つくような春もあるふるえていたのはきみの身体か
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二千年置かれた場所で生きること 証としてそら きみの青さよ
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できることをやると呟く「を」の息の白さよ俺もがんばっているから
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花の音が渡らむ滝川早し瀬を満たして淵としきみをば迎えむ
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春を摘むように足から首筋へ伝わぬひとこと手のひら込めて
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半年に一度ひらいた扉から きみの世界の靴を揃える
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逃げ水をうつしたあなたの鎖骨から溢れる滴のうつわであること
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さあ海におなりなさいな朝まではそんな
夜
(
よ
)
もある防波堤になる
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「焦がれ香」たぶんきみも好きなはず言葉に色挿し綴る便りに
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余白には
白群
(
びゃくぐん
)
のきみまだ知らぬ焦がれし原野を耕している
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ニセモノがホンモノみたいな顔をして十一月の雨こんなにもやさしい
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寄る辺ないテーブルひとつ用意してぬくもりみたいな鍋を囲もう
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フリをした誠実やさしい嘘にしてそっと畳んだ口づけ交わす
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反りかえるそばから剥けてゆくような柘榴が口に含まれている
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左岸では
紅葉
(
もみじ
)
集まり織りと成し夕まずめやきみが目を
欲
(
ほ
)
り
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群青の
夕
(
ゆうべ
)
天伸びるクレーンで重力逆らえ星を釣るひと
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ささやかな彩りひとひら気づいたら隣りで爪切るひとになりたい
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スゥ、と寝息を吸い込んであなたの舟に惑星とまり
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こんなにも無数の窓に明かりさし行けども行けども見知らぬきみを
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がんばった分だけ知ってる隠しごと「いちばん暗い星を探すよ」
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感情の七号線の渋滞をばら撒き散らした赤をください
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ニンジンの角切りやさし日々の泡言い訳ひとさじ隠したカレー
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