冷えた耳包むその手の温もりは出会った頃と変わらずにあり
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墨汁の香の清しかり冬陽差す部屋に手本をさらうひと時
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そういえば去年も今頃悩んでたカルディの豆うまく淹れるコツ/二千五百円の福袋
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四半世紀呼ぶ名わすれた兄のこと兄だとわすれたことはないのに
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味噌餡も良きものですよ😸 と申しても 花びら餅しか知らないけれど
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なにもないただ素晴らしい日だったと 湯たんぽ抱え微笑む夫
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首傾ぐ哺乳類のオスの乳 飢餓に備えて役に立つのか
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心臓の音が轟く午前二時 眠りの外におちてくばかり
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あの人の詠んだ短歌が好きすぎて 私は二番煎じみたいで
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つぶつぶの 白き毛玉の ニット帽 君の遺品かたみを 明日もかぶ
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撤退に 撤退続く 人生の 下り坂かも 結構きつい
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ぜんざいと汁粉の区別がわからないただわかるのはどちらとも良き
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わが声とてのひらさがしなく子らのうすべに頬のやわらかなこと
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相棒は観たいが眠気に負けそうだ お正月のも昨日やっと観た
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隙間から零れる命を嘆いても月がゆらりと微笑むばかり
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踏切で止まる車の窓越しに少し揺れてたスカーフの赤
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身に迫る 歌に流した涙の跡は 欠伸のそれより暖かかった
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冬晴れのミルク色の陽降り注ぐ安穏などはどこにもないよ
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人には言えない趣味がある 夜の海辺をドライブするはしること 一面「死」がいる
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カフェインの入ったガムを噛んでいる きっと墓場にゃ売っちゃいないさ
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ほろ苦の青春の恋夢で見た あの日の彼はあの日のままで
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海に行く 涙の跡をそのままに 煙草の煙は 遥か後方
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泥水をカフェオレだと言って渡してくれる 小さく愛らしい手
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マーティとドクが向かった未来の世界が十年前だと信じたくない
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「ワイルドサイドを歩け」のリズムで鳴る踏切の遮断機の隣
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芋菓子を買って帰りて なんとなく 思ひ出したり 栗菓子顛末(笑)(ごめんくださいませ(笑))
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炊飯器の機嫌が悪く 姫飯ひめいいが ほんとにお粥と見紛うやわらか
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クリスマスには独特の露っぽい匂いがあって、それが好きです
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君に問う 質問事項第一に「今宵の月は綺麗ですか」を
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順送り 親は子思ひ 子は親を そうして巡る 命のリレー
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