Utakata
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さく
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書きたくなったときに訪れます
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言葉などない時代でもわたしたちただの母音で強く叫ぼう
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名前とはあなたがあなたであるための祈り、もしくは魂の型
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宇宙ってなんにもなくて でもたまにあのとき捨てたものが見つかる
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百害の先の一利が眩しくて走り続けるしかないみたい
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借り物の知識で埋まるストレージ 取り出せないほど奥にアルバム
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これが愛だと確信はできないが そうならいいな、とは思います
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手をつなぐ 離せるようで離せない赤子みたいな力でぎゅっと
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もういいよ 出てきていいよ 閉じ込めてごめんね 一緒にここから出よう
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わたしだけ無骨なコート きみたちの何も守られていないコート
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「今日降るよ」 愛してくれた人はもういなくて傘を玄関に出す
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夜なのに傘を差す人 新宿のネオンライトに身を灼かぬよう
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透明なしろみの中につつまれて割られる日まで揺蕩いねむる
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今日の朝何食べたっけ ばあちゃんはどんな顔して笑ってたっけ
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私とは消えない連続性の過去 パジャマに跳ねたトマトケチャップ
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ひび割れた心に金を継ぎ合わせいつかは博物館で鎮座す
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春だねと言えば春だねと返してくる人がいる それだけのこと
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身勝手に重ねて泣いて夢を見て君を応援していて ごめん
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孫を抱き「懐かしいな」と父が言う 知らない記憶 いつかの話
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チャンネルはそのままでまた人生も 愛も恋もわからないままで
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来世では赤ちゃんのほっぺになって すこしだけなら触らせたげる
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あの子からもらったお土産のハンカチ 二年経っても糊が効いてる
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お返事はなくていいです その代わり空にビームを打ってください
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おいお前! 目の前の奴に含まれる命はこいつ一人分だぜ
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何もかも捨てた日の翌朝に見た祝福の形をしてた猫
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水兵リーベ僕の船(波の下船と鯨は逢瀬を重ねる)
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「あと五分」無慈悲な声にとりあえず空欄は全部ミトコンドリア
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この夜を美化するときが来るのだろう そんな日は一生来なくていい
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感情って結局元素でできてるし所詮水兵は海に勝てない
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そんなこと言われましても 偽善とは善を為す人と書くのだから
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きらきらと私の肺に突き刺さる鋭角をした冬の静音
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