知っているのに知らないとシラを切るお前だけのため人類を憎む
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盛岡で求めし五年ダイアリー。四度目の除夜は弘前で記す
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お悔やみを 申し上げますさようなら ドアの後ろに怯えた日々よ
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年の瀬を布団の中で過ごす今日 ブルーライトが闇夜を照らす
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肌に染む水沫みなわのごとき愁いありて花鳥画の前に暫し動けず
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おおみそか したぎしんぴん きがえさせ たちばぎゃくてん バァバはヒートテック
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音、光、香料の臭い、諸々が無造作に掻く俺の粘膜
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入力中 気が付かないで 頼むから 悩む時間に 気持ちがバレる
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わたしだけ こんなに好きなの わたしだけ いっつもそうして 機会を逃す
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うぐうぐとそれでも沁みる発泡酒おでんのそばで一人年越す
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何もかも終わってほしいようでいて終わらぬ夜を朝焼けが裂く
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母が死に 一昨日祖母も旅立った 賽の河原の石積み終わり
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来年は まともなヒトになれるよう 地べた這いずる 蟲は卒業/今年はたいへんありがとうございました。
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一年が 終わると言うが 今日もまた 地球は自転し 日が昇るだけ
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蕎麦食えば今年も終わる大晦日山葵わさび抜かれた値上げ元年
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蕎麦を食い ケーキを食べて 何かしら ムード盛り上げ 年中行事
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一年が 終わると言いて 感慨に 耽るつもりが 普通の夜更け
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「大晦日ステキなテレビ楽しみだ」長男作の俳句の通り
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隊長とリーダー名乗り張り切るが二階窓拭きまでは終わらず
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平和とは 退屈なのか 人間は 欲張りなもの すぐ飽き足らず
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古来より 晴耕雨読 人生の 理想の姿 何をか言わん
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穏やかに 土を耕す 余生なら それが一番 健康にいい
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情欲に 狂い死にする 人生を 悲しみのため 息も絶え絶え
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ささやかで 普通の幸を 喜べば そんな悪くも ないのに不思議
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野望なぞ ただ一つさえ 叶わない 当たり前だと 納得いかず
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大晦日 私はすでに 死んでいる 呟く我を 叱る愛妻
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年末に聞くもんじゃないな父親の孤独死恐れる様なつぶやき
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「あけおめ」のLINEを君に送ったらそのあとなんて続けようかな
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スーパーに出かけた母を迎え行く思わぬ散歩宵も交じりて
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かおしらぬ こわねもしらぬ ただひびと こころをうつす うたをありがと
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