実像はいずれかひとつ偶然を王手をかけて収束させる
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健康マニア用心するも無意識に口にる糖反省会
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胎内の 小さき命 星になり ママの涙に 浮かんで光る
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咲き誇れ 花見て想う 尊さよ まるで翔び立つ 同胞はらからの如く
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休日出勤きゅうしゅつの今日の頑張りご褒美は 息子キミとのおしゃべり幸せタイム
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年末の挨拶に来た我の名を「あきちゃん」と呼ぶ老いた親方
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平凡な日々送れれば幸せと 分かってるけど人は欲張り
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やって来た冬将軍に手を振って おニューのコート袖通す朝
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ようやっと息子やつが風呂に行ったので 短歌うたの時間のはじまりはじまり…
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ゲーム好き息子キミの話しは機関銃 相槌あいづちうつが短歌うた考えている
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柊のギザギザ撫でて馳せてみるあの子の痛み少しくらいは
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よく訊けばどちらの言も一理あり 正義は一つ とは限るまい
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通り雨が作るぬかるみ水溜まり、乾くまで待つあのベンチ座し
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何気ない そんな暮らしの 悦びに 気付けとばかりに 昼寝する猫
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一週間 怒涛乗り越え とりあえず今夜はビールだ 掃除は明日から
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仕事終え「猫が待ってる」と思うとき心はまぁるくあたたかくなる
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ブレンドす流動性のある愛をあなたのために淹れるコーヒー
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育児とは違う疲労が欲しくなり、妻の帰省は日曜大工
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あの子の愛の大きさを見くびった馬鹿は見たいものしか見てない
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小春日の 葉敷き散らしたる 銀杏路に 警棒提げし 婦警歩哨す
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十数年馴染みの可愛い患者おばあさん 老いゆく様を見るは寂しき
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反日なるラベルなつかし猿山のボスらこぞりて奸臣かんしんかお
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忘れないでと泣いてる雪だるまを抱きしめることさえできない
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「半分ね」もらったりんごの数は奇数 齧って渡したきょうだいだから
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良い顔でツッコむでしょう御嬢様の御眼鏡にかなう漫才師です
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熱々の紅茶の湯気を吸い込みて ホッと一息 チョコで鉄分
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「オヤツさん もらうてっては きまってるよ!」チビ猫が右で ちま猫が左
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幼馴染敬語で綴る年賀状淡い想い夜の白雪
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どうしてか目と鼻の先仰け反ってひた走るよな期限前日
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寒風も 消防士たち 鍛錬す 威勢聞こゆる 署の中庭か
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