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冬物のトレンチコートは今日までと 区切りを付ける春雨の朝
28
ひょうひょうとプランターやら街角にピンクパンサー植えゆく婦人
9
暮れなずむ町はいつしか遠くなり贈った言葉は湿度を無くす
13
今朝もまた トップページは 戦争で 仏壇からも 抗議の声が
21
言葉にしたら 壊れそうなこの想い もどかしさ抱え今日を過ぎゆく
19
窓叩く 雨音だけが響く小夜
微睡
(
まどろ
)
み辿る遠き日の記憶
20
入社式となりの彼にドキドキと元カレに似て胸を離れない
13
木瓜の花 塀の陰から顔出して「おは」とささやく青空の朝
43
スーパーの 惣菜コーナー目を引くは 値下げシールの貼られし餃子
27
目をやれば地味に咲きたるタンポポの綿毛は揺れて季節移ろふ
51
いつしかも 車を走らせ 行かばやと 近くて遠い 夏の海辺へ
13
いつしかも 語らいまほし 願わくば 叶はぬことと 知りつつ思ふ
7
あの時に捨てた「もしも」を拾い集め 抱きしめてやっと今日も眠れる
16
たらちねの南の山は白みつつカラスの声に母は身支度
12
どうしたら想いは
短歌
(
うた
)
に届くのか消化不良の心と短歌と
29
漆黒の町の中一つ白い灯と共に周るカブの音
9
暗闇の二駅先に最寄り駅改札くぐれば無呼吸の町
8
加古川線 二十二時の電車内青いシートと機械音声
11
一歩ずつ 君との距離が 縮んでく 過ぎていく日々 各駅停車
15
沈黙の 時間さえ愛を 語り出す 声が途絶えて 眠りに溶ける
8
無機質な 電波の波に 怯えてた 今は体温 探す命綱
7
いいことが あってもなくても ここに来て レジのおばさん 笑わせて帰る
6
おにぎりを二つ買ったらお茶オマケおっと嬉しいおこわが美味い
23
できるだけゆっくり咲いてと願かける、つぼみふくらむ通勤路にて。
17
憧れが醒めてようやく恋を知る 産毛の光るきみの横顔
8
あの人がマスクを外すたび気づく口元のほくろ。花粉の季節。
6
白霜の ろうのかげそふ ふゆの夜に 遠くにほへり うらもえのはな
6
近似して 綺麗に綴る 言葉より 君の丸めた 誤差が知りたい
7
エネルギー保存が真というならば 君に渡した 熱の行方は
8
学ランを 抱きしめるのも 今日までか 君の金ボタン 金ボタンだに
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