あまつさへ また逢はむとぞ思うなど ふみのかへりも覚束ぬものを
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熱気球 貴女と乗れたら 独り占め 景色と空気 貴女の笑顔
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死んだ後「復讐なんて望んでない」ことにされてるよ、いいの、ねぇ
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蘭奢待らんじゃたい 臨終りんじゅうまでに 聞きたしと  英雄の夢 われ伽羅きゃら
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路地道に のんびり二匹 猫背伸び 見つめし朝に 心でおはよ
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きみはきみのだいじなサメのぬいぐるみを栞代わりに詩集にはさむ
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月見ても 心動かぬ そんな日が  少なくなれば 人は幸せ
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ウォシュレットが壊れた便器に狼狽うろたええてホモ・サピエンスの未来を憂う
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追いし事 追われし事も 何もかも  今となっては もやかすみ
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たまにしか 会えぬあなたの 声聞けば  たまにの良さを 忘れてしまう
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入眠にボリューム何度も調整し最後まで聞く大好きなボレロ
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君想う 気持ちを出せず 時が過ぎ  いつか出せると 今もおもえり
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書きかけの、メール下書き見返して 今日も一通、ゴミ箱に増える。
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来週は秋のお彼岸らしいけど積乱雲は山盛りのまま
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今日できないことも 明日はできるから 疲れたら眠れ ご飯は食べてね
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君は今我の心に住んでいる 家賃はいらぬ優良物件
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叶わないことをなぞった夏が暮れつめたいだけの自販機の青
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銀杏が足もと悪くしてますが 秋なんですかまだ夏ですか/35度!
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やわらかく ぬくもり重ねた あの日の手 焦がれる思い 遠く離れて
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腹いっぱい食ったら働くテキパキと俺も世界を回してるから
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穏やかに 他人のさちを 願う時 吾の心も 幸を感じる
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工事現場のイルミネーション 想われニキビふた粒あっても合わない周波数
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夜勤へと向かうあなたに力水つけるつもりで麦茶を渡す
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まなこから ひかりを入れて 生を知り  言葉をまなび 死を知ってゆく
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風花かざはなの 磐梯山ばんだいさんに 別れ告げ  積もらぬ雪に 会津あいづおも
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幸せは天日にあてたカーペット 秋のはじめの乾いた空気
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例えれば山水世界の桃源郷イリュージュンのアートの世界
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あぁ広い 解放あふれ威圧なく 見事に整いあぁ広い
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花生けて 太子の御姿想いつつ ただ円かれと心の活花
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大納言 ご威光の庭を粛々と 華麗なる道ゆとり豊かに
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