高校のころからひとり好きだから上手くなったよ口笛と孤独
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実らない花も咲かない 草だって 生きているんだ 地べたで強く 
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お土産を買ってくれたということは さては頭に私がいたな?
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ワン切りし 二度目かけると 君の声 小声で話す 黒電話
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今宵またしっぽ半分のヤモリ来て眠れぬ夜長を君に付き合う
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あなたから「行ってきます」と言われたら 「待っててね」って捉えていいの?
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朝刊の 応募落選載らぬ詩 ひとに見せれる ものじゃあないか(笑)
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物心ついた頃から欲しいもの言えないような子どもだったね
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旅に出る前に「行ってきます」と言う また会いたいと思ってるから
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クラクションやたらめったら押す輩「ここにいるよ!」と叫ぶ思春期
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乳歯抜け 前歯にガーゼ 当てた君 時を戻して ハグしたかった
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足跡が 今日も昨日も残らない 何処を歩いて どこへ往くのか?
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4号線ヘッドライトはLED連なる車はみな夜行性
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自信でも気付かぬうちに その心 とうに壊れて 見る影もなし
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耳からは水が滴り減る重さ口から黒い甘い強かな
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汚された心に何度も色重ね 見た目は綺麗 だけど中身は……
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手じゃなくて心で繋がりたいのよと恋を飛ばして愛を願う
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ミスを見て我に過ち気づかせる見えぬ魂そばにおわすや
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手に入らないならなんで光ったのって言いたくもなるまばゆい瞳
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風に百日紅ひゃくじつこう薄桃うすももの 淡い花色はないろ 暑さなごませ
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猛暑日も今日で終わると耐える吾の心へし折るエレベーター点検 /9階まで階段…
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ふにゃふにゃでとろけていても山積みの食器を洗う酔っ払いなり
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会社にて首から提げる身分証 帰属という名の枷となりけり
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我が影でバルタン星人模してみる 疲れ果て去る蝉の王なり(秋の夕暮れ③)
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夕焼けを背に受け歩む帰り道頬撫でる風いくらか涼し
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影法師 我が背丈より伸びにけり ひょろひょろとして頼りなきやつ(秋の夕暮れ②)
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影法師 八頭身に伸びにけり 実像なればさぞやモテらむ(秋の夕暮れ①)
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夕陽眩し 残像カシオペアに見ゆる やっと言えたよ 「梨たべよ」って
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嫌われてもひどい名前でも白く可憐な花の屁糞葛ヘクソカヅラ
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日が沈み隠れた秋が姿見せ 深まる夜とそよぐ稲の
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