お向かいは来客多い三世帯ツクツクボウシも立ち寄りて鳴く
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早く寝て早く起きるをくりかえし気づけば午前三時に会社
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奇跡とか運命なんて信じない未来は描けば変えられるから
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待ち合わせ 出口間違え 川挟む 川沿い歩く 平戸橋まで
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換羽経て今年も旅立ち始めたか思いを馳せるシベリアの鳥
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敬老を祝えば老を主張する気がして名を変えギフトを渡す
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総裁選 出馬のニュースを聞くたびに ちょっと振り向く 厩舎の馬
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ジャスミンティーよりも ねこのゴロゴロおん 眠りを誘う薬となるかな
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愛なんて求めていたらキリがない背筋をピンと張るだけでいい
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許されることでしか自由を感じない 罪があるから許しもあるのに
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腹上の猫よどうかどいてくれ君の生きてる熱が暑くて
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バラバラの六面体が揃ってる!いったい誰がいつカシャカシャと
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恋人募集してる人見るとついときめいてしまう 好きでもないのに
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寒空に 湯気立ち香る ホームにて 暖取り小腹も 満たす駅そば ※万博で話題の高額なまねきの駅そばですが、普段はお財布に優しく電車の待ち時間に数分で気軽に食べられ、正直とても美味しいそばではありませんが、空腹であったり、友と一緒に急いですすったりするのが思い出となり、たまに食べたくなる不思議な姫路のソウルフードです。   
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スーパーの葡萄の値段がややこしい棚の表示はグラム100グラム単価で
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いくつかのスマホのアプリくらいしか吾の生れ日祝うものなし
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君が好き コーヒーじゃなく カフェラテを 持って「見るな」と 拗ねるとことか
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あんたってなかなかひどい奴だよね 高天原たかまがはらを向いてむくれる
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黒にひたすら賭け続け 連続14回 赤が出る 天文学的確率に 勝てぬと悟る オンラインカジノ ※まだグレーゾーンと言われた10年ほど前の話です。
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編み針で模様生むよう言の葉を編みて美し短歌うたが詠めたら
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デジタルの目覚まし時計を逆さまにして眺めてる夏が終わる日
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昼起きてほのかに未来見えた日の君の目尻のあれは幻
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繁る葉の隙間から覗くお日さまへ陽射しを返す百日紅の赤
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抜けれないトンネルはなし暗闇を行くのよ不撓不屈のキミで
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眠り待つ今日の記憶はきらめいてよぎって行った金色こんじきの蝶
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階段をおりる私の足音が今日の生死を分ける始まり
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平安の幽霊呼んでお茶菓子も夜な夜な歌会老いも若きも
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かなしみの冷たさよりも喜びの熱で溶かせよ永久凍土
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マイナスとマイナスの間に置かれている×(かける)の感じるストレス
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夜渡りの 御髪にとまる 婚ひ星よば ぼし 手にも掛くにも いと手づつなり
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