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なつくさや弱きものの夢のあと施餓鬼の回向たがため也
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かまきりがつぶされ熨され死をさらす私は眠たく正しく見えない
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ただ遠く大きい声で歌ってたあの幼き日帰りたし夏
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死に人へ憎しみつづくよどこまでもたまに去来す優しさは邪魔
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強すぎる主張を香りに乗せてきて他者の体を蝕む加害者
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誰のかもわからぬ香水ただよいて頭痛吐き気をもよおす残夏
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盆休み意味の不明な電話来ぬそれは私の担当ではない
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刈られてし夏すいかずら在りし日の白から黄色に変わる姿を
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今日もまだ眠れなくって泣いている日曜夜は特に苦しい
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部屋干しのドレスが私をあざ笑うお前の歌に価値などないと
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よい歌が洗髪中に降ってきて紙筆もなし風呂場なりけり
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音だけが夏の夜空にこだまする近くて遠い花火大会
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若き日のあの期待をも枯れ落ちて今日も見忘れ攻殻機動隊
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おしろいの花の香りに惑わされあやうく死ぬる車道の端で
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母作る味噌汁いらぬとつっぱねた後悔するのは折り込み済みで
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エモエモな色の花を買いまして理解の及ぶメロいの気持ち
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来世ではちゃんとしますと言うけれど今世でちゃんと生きたい泣きたい
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黄桃の薄い皮剥き金色の肉に歯をたて生きる知り得る
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青竹の隙間を縫って葛が咲く栄枯の様を歌う花なり
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いと高き夏の昼空白き花タイザンボクは今年も麗し
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とこしえの眠りを勝ち得た祖母を見てわれもなりたし三十路は願う
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中指に花が咲くよにきらめきてマルチカラーの石はおしゃべり
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涼風に混じる香りはすいかずら姿なくして忍ぶいじまし
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ぱっくりとヒビアカギレで皮膚われて冬越え今日も痛くて春
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春雨に髪をぺたりと撫でられて金曜の夜はなにも怒らぬ
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手のひらを天に差し伸べ確かめる傘さすほどの憂いかどうか
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故もなく焦燥の闇這い寄りて歳経るごとに我食み砕かれ
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叶わぬと知りつつ祈る掌はただあたたかき血潮の流れ
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うつむいて浮き世の泥に埋まるとき生まれたことの虚ろに問うて
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もう散るかまだ寒寒し夜風吹く生き急く花に恨みごと言い
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