好きだった歌も思い出せなくて いつか死ぬって言われてもな
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おくすりでふやふやになったあたまではしぬことだけがまるだったのだ
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両腕に無数に残る点滴の跡が星座のようできれいだ
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痛み止めなのに心も落ち着いた 少しだけなら眠れるかなあ
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この管を抜いて死ねたらいいのにな 残る理性が煩わしくて
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二十五になったら死ぬという歌詞がまだ未来系のころ書いた詩
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飛び降りる前に見た空、飛び降りた後に見た空、病室の空
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君がそこに存在してる それだけで明日を生きる気力が湧くの
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夜光虫 泳ぐイルカに 刺激され イルミネーションの如 発光
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手も洗わずうがいもせずにビール呑み 相撲を観るの、これが私の野生
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木曜日 ウォーキングデッドのように駅へ向かう人々
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女房が今日から実家に帰るので しばらくの間は私は野生
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助けたと 安堵した夜 知らされた 助けた女が 身を投げた事
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助けても 俺はひとりも 救えない 助けた女が 身を投げた夜
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助けても 救えたわけじゃ ないんだと 君は夜空に 問いかけていた
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助けても 救ったことに ならないと 君に言われて 夜に駆け出す
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誕生日 わざとズラして 会いに行く 君とふたりで 出会いたいから
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「異常なし」を確かめに行くクリニック心配性の病は治らず
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追いかけて背中に手が触れる頃動かぬ記録記録あなたは冷えて
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都合良く蜜を吸いだす冷えた手で 擦れる気持ちと慣れた抱き方
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店入らば有名人とのツーショット蕎麦屋の女将のこなれし笑顔
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日暮れ前 風の涼しき散歩路 ゆらゆら靡くはコスモスの花 
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遅刻する夢見て飛び起き午前5時 額を拭う袖すら湿る
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ときおりの氷の笑みに戸惑いてはぐれ鰯は沖へさまよう
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眠れぬ夜 ねこの心音 ゴロゴロ音 いのちの音に 顔をうずめる
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武器を持て!素直さ謙虚さ愛想良さ礼儀と感謝も最高の武器!
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これマジ?と 嘘を拡散するやつは 泥棒の始まりの始まり
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曝け出す怖くてハズいその山を越えれば見える新たな景色
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いつのまに誰かの光に導かれ暗い森から晴れた野原のはら
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酔狂を試す一笑おもしろき一興なのさ人生なんて
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