フォロワーになってくれる人が見つかると心の種が芽吹く気がする
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初声うぶごえで 二度目の名月 再来か 二輪が笑う 胸の中で
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来世らいせでも 君を伴侶はんりょに むかえたい  思える事が 現世げんせ果報かほう
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和々にこにこと 咲顔えがおでいれる 大人には  なれそうもなし 今日好天こうてんなり
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ヒロインに仕立て上げたるわが様をこれで良しとすわが日日にちにち
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涼風に犬の散歩の夕暮れ時馬かと思えば鹿駆け抜ける
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雷光の度に強まる雨音を一人聞いてる音の無い部屋
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雨の月 世心惑はし 水無瀬川 月やあらぬと袖のしがらみ
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色づいたカエデの葉さえざわめいて僕の心の雲は暗くて
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暮れ時の小道慌てて小走りに仕事帰りの余計な用事
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少しずつ寒さ近づく季節にはあの娘のカフェに入ってみるか
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遠い地の戦争友の力説も我は言葉の綴りを気にし
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夜寒など書きつつ続き決めかねて燗を一本つけるか迷う
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あまがえる白き腹みせ窓登る 歯磨きの手をとめて観察
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ビルの影角度斜めに傾いて木枯し強く吹く季節来て
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長かりし熱帯夜の日々終わらせる慈雨となりぬる秋嵐かな
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透けている血管の青と紫を今更ながら優しく撫でる
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ひりひりと波立っていく心なりほんの些細な出来事なれど
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いつだってやさしくありたい溢さずにシュークリームを食べきってみたい
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繰り返す2歳が鬼のかくれんぼ隠れる所もうありません
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ひとり風呂子の水鉄砲構えては一心不乱に打ちまくる深夜よる
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猛暑日になろうかという日の午後に薬用リップのコマーシャルみた
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海沿いの町で記憶の断片を探して歩く青春ゾンビ
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ひさかたの 秋はいづこか 鳥はなく 空こそかすみ 姿隠さめ (九月一六日 七十二候「鶺鴒鳴せきれいなく」より)
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開けている右耳にピアスそんなやつ駐車場にて駐輪している
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茜空 夏を見送る 風が吹き 今日が最後の 真夏日なるか
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夕食は冷やし中華の食べ納め鼻つくカラシもしばしお別れ
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かなしいな 短歌づくりに没頭し 電車のりこし多摩川を越す
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「ランドセルあかにする」 うそ ほんとうは あっちのくろいのがよかったの
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君よりも もっといい人がいるなんて わかってるけど 君じゃなきゃ駄目だ
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