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2025年2月から短歌始めました。

物欲の無い君が席 立つ後に 温もり共に消す存在感
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睡魔来て手刀を首に入れられて 気絶しただけ居眠りじゃない
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影二つ できることなら知らぬまま 自転車押しつつ なぜ凪ぐ気持ち
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曇天に行き交う色はとりどりで 私のビニ傘カメレオンかな
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苦しみも辛さも空気震わせて 伝わる言葉無い歌のよう
8
真似したい 不殺の誓いなまくらの刀隠さず見せるスタンス
6
半世紀 君の色彩道標 暗闇の中 脳裏に訊ねる/迷子
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僕の胸 君が空から降ってきて 穴を空けられ死ぬのが理想
3
泡沫の二度目の邂逅 君の目が 僕を認めて言葉失う
5
山と谷 繰り返すたび賑やかに 鶴や蛙が折り目正しく/「折り紙」
7
ハグをして たわいないこと笑っては 触れずに心のキズパワーパッド
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この草の背丈くらいで土手登り 万能感で世界輝き
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背丈ほど草むら分けて虫分けて 登り初めて見る屋根と川
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閉じこもりもうどれくらい経っただろう 雪溶け桜散りて五月雨
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一言の挨拶残し振り向かず ゆらり長尾に告ぐ「またおいで」
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湯気上る 母と銭湯 濃い夜空 シリウス オリオン 一緒に帰る
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凶暴な陽を避け陰にへたり込み 見知らぬ犬と 壁に張り付く
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威嚇する 身体が泳ぐデカい服 舐めさせるかよ 私の道で
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覗き込む向こうもこちらと同じ顔 揺れる我が身の世が映しと知る
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柔らかな土踏みしめて目が覚める 指先残る芥子の感触
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古紙入れの印刷がないチラシ裏 記憶の中のスケッチブック
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先人がつけた道筋ただ歩み ふと見回せば 叢の中
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柔らかな陽差しの中で微睡みの 魔に抗ってる猫パンチ
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なんとなくやったらできた初心者に 越される年数 息せぬモチベ
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玉の緒の いのち短し 舵利かぬ 吉凶禍福 長閑やか願う
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スマホ置き コート羽織って 傘を取り スマホを忘れ ああうらめしい
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両脇に建ち並ぶ家 私沿い 空見えぬ今 暗渠と呼ばれる
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蝶番 僕直すから開けてみる? 君次第だよここから先は
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火葬炉に残るリン酸カルシウム 土に撒いたら私が芽吹くよ
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焦るほど 鞄を泳ぐ小銭入れ 旅先のバス 整理券どこ?
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