もう少し いい加減でもいいんだよ 息が苦しくなっちゃうからさ
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職場での 思いを短歌で 浄化して 人間関係 良化中
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姿勢がいいと褒められたから 帰り道も少し背筋を伸ばす
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くらげみたいになりたいゆらゆらと波にゆられて流されるまま
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幾年も昔の今日のわざわいを知ってか知らずか人は争う
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苦手とは 悪口ささやく背後霊 耳を貸さずに頼ってみよう
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祈りの日 去年こぞおとないし広島の街へ川へ思いを馳せる
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確実に 季節移ろい 秋近し ツクツクボウシ 夕暮れに鳴く
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想い人 夢と同じく 万華鏡 息吞む目前 溶けるよう
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八月の百年先の飛行機は高揚だけを抱えて発って
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帰るのを待っていたかのように雨 泣いていいんだよ一緒に帰ろ
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何一つ成し遂げぬまま陽が沈み それもいいかと手に取る麦酒
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千年後そんなに近い未来などたった千年じゃ化石になれない
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通り雨 きれいさっぱり 流し去れ ほおずき苦し つぃと吐き出す  
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いい人と思えばいい人なんだよね 信じて話せばみんな味方さ
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ハンカチが なみだで重く なったのは その分の苦が 染み込んだからね
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くれるならなんでもよかったお菓子でも化粧品でも愛も呪いも
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東京はこの夏イチの不快なり苔むすよりもワタシ蒸されて
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ひとすじの ひこうき雲の 彼方には 何が待ってる? 誰かおしえて
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溜めに溜め 積み重なった 積乱雲 雨よふれふれ 私の代わりに
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じゃが(いも)サラダ きみがおしえた 唯一のりょうり うまくできたが 盆にははやいね
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原爆の悲愴ひそうを戒める朝の 黙祷の鐘 八月の空
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母親がカツ丼食べるとリクエスト!誕生日だしおまかせあれよ♪
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「嘘でしょう」「外出たくない」「溶けてまう」ボタンを押してビームを避けろ
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繰り返し握って開くまあるい手 刺さる爪から伝わる安堵
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みずシャワー 夕方おこなう 消夏法 ねこ︵好き︶さんすいせん ハッカ油︵手おけに︶五滴
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土と地を分ち流れる距離感で 人の軌跡に差すはとちの木
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まっさらを秘めて育む十千とちの夢 煌めく水面仰ぐ潜水
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宵がすみあかあかと明け光づく 実る明日へと近づく朝焼け
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かぢをたえ渦にまかれて翻弄す 切り裂く飛沫しぶきに消えゆく叫び
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