二四三笑
0
1
投稿数
28
『幸せ』の定義はわからないけれど、たぶんそれは間違いなくそう。
4
二つとない、スタンプ帳の並び順 そっくり同じ、人がいること。
6
名月を収めた画面 夜8時 送信ボタンは、まだ押せてない。
8
22時、土木事務所の前を過ぎ 自販機の音 明かりとモーター
10
2時間半、途切れたラリーを読み返し こんども僕の レシーブミスか
9
不意に見た通知の名前に胸が跳ね、「期待するな」とひとり戒め
14
不自由な三十一文字みそひともじに溺れれば、呼吸ができる 自由になれる
9
8メートル、右の壁に掛かる時計。君の横顔、見つめる口実。
6
あまつさへ また逢はむとぞ思うなど ふみのかへりも覚束ぬものを
6
書きかけの、メール下書き見返して 今日も一通、ゴミ箱に増える。
9
思い出を上書きしてく、一つずつ。君との特別、残さぬように。
15
徒歩5分 自転車10分 バス2時間 ロケット3日 それぞれの家
9
叶わぬ恋、幾度重ねど慣れぬのは 君との痛みは初めてだから。
9
あの俳優、何故か目で追うこと増えて そうか、目元があのひとに似て
9
六畳の宇宙そらに飛び込み息を止め ここには1人 あなたも独り
7
恋のチェスカーリング  第8エンドを終えたとこ 君の気を引く話題ストーンは尽きて
11
雷鳴とリミックスする室外機 設定温度を1℃戻して
7
内手首、黒子ほくろがふたつ腐れ縁 「蛇に噛まれた」などとうそぶ
10
くる夏を、煩わしとぞ思ふものを ゆく夏を惜しむ また逢ふ日まで
11
夕立を横目に氷菓アイス、咥えつつ かず夏期講習の教本テキスト
6
アスファルト 雨の匂いきざしを湧き立たせ 電信柱 家まで5本
9
さそへども、かわし、いなされ、転ばされ、また受け身ばかり上達する恋
10
他愛のない会話に満ちたあの時が、「他愛なく」などあるはずないのに。
10
心臓の裏を小指でくすぐられ、声が上ずる僕、君の前。
5
微睡まどろみに追い求めた夢の残渣、零れ流れて戻らない午後。
5
ただ好きでいることだけを許してよ。他に何も望まないから。
5
君がすぐ 致死量に達してしまうから 今日もかくれて 片目ずつ見る
6
冷やされた身体がぬくむ夜だから どうせフラれるなら夏が良い
5