Utakata
登録
Login
冥夜の猫
フォロー
30
フォロワー
25
投稿数
81
1
2
3
次 ›
最後 »
ヒトリキリ ぬるい世風に背を向けて 鏡の如き月と語らう
7
夏色のかたばみの花悠々と古参の鉢で借り暮らしかな
9
お隣は季節を渡る鳥達が愛してやまぬひと春の宿
10
君の名と
勿忘草
(
わすれなぐさ
)
の花言葉 古い寄せ書き 褪せぬ面影
11
深海の
碧
(
あお
)
を映した植木鉢 薔薇か葵か どの花似合う?
12
青空と夏に焦がるる葉桜の 手に手を取りて翔ける季節を
10
湯あがりの 紅き縫い痕 鮮やかに もいちど君と明日を語ろう
9
乱れ咲く紫陽花ロード祖母とゆく 一年越しの夏の約束
13
炎天に雨ぞ恋しき紫陽花の褪せし姿にこの身重ねて
11
道端で摘みて帰りし朝顔の種は芽吹いて夏を彩る
17
暗闇に
梔子
(
くちなし
)
甘く漂いて 明けぬ心を朝へ
誘
(
いざな
)
う
13
蜜を吸う黒き揚羽の羽ばたきに 花びらひとつ
水面
(
みなも
)
に落ちて
10
行間に滴る想い掬い取り 呑み干すようにページを捲る
11
ぽってりと熟れた
山桑
(
ヤマグワ
)
摘み取れば
初夏
(
はつなつ
)
甘く舌に弾ける
14
真夜中に雨が奏でる
四重奏
(
カルテット
)
次第に曲は激しさを増し
10
煌々と月影映す屋根瓦 影絵のような街並みを撮る
13
見下ろせば
斑
(
ぶち
)
に
雉虎、黒猫が三竦みにて餌を待ちゐる
10
水晶に刻まれしこの一条は 太古の空を翔けた
雷
(
いかずち
)
13
銀色に糸引く雨の檻の中
陽光
(
ひかり
)
呼び込む友の言の葉
10
秘
(
ひそ
)
と咲く黒き
花葉
(
かよう
)
の
寒葵
(
カンアオイ
)
罪を孕んだ恋の似姿
8
春風に枯葉散るかと目をやれば地味な
蛾
(
が
)
の舞う華麗なワルツ
6
大波が逆巻く時代だとしても 君の言葉が私の錨
20
数字追う日々の隙間に花を
愛
(
め
)
づ 心の棘も無心に還り
8
見慣れない双葉芽吹いてもしやあの、黒い種からオシロイバナが
5
病ある薔薇譲り受け奮闘す 馴染み始めた剪定鋏
11
ひっそりと白詰草の揺れる道 花冠にはしゃぐ子らの幻影
7
葛藤を抜けた五月の夜の淵 熱い瞼を風が撫ぜゆく
7
星渡る夢から夢の渡り鳥 潰えた夢は誰が弔う
8
憐憫の闇を深掘る名人がその深淵で仰ぎ見た空
4
降り頻る君の涙を肩に受く 白き小壺よ静かに眠れ
8
1
2
3
次 ›
最後 »