Utakata
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冥夜の猫
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聞き慣れぬノイズの中の旋律は 君の遺した古いレコード
4
僕たちは言葉の針に削られて ノイズだらけのレコードみたい
5
早咲きのたんぽぽはもう旅支度 今か今かと吹く風を待ち
12
奥峰に
古桜
(
こおう
)
散り敷く 我が内に褪せゆく恋の名残り惜しみて
4
灯
(
ひ
)
を落とし冥夜の散歩
泡沫
(
うたかた
)
の歌人が棲まう窓辺訪ねて
6
静寂
(
しじま
)
打つ水琴の
鳴
(
めい
)
人知れず詠まれて消えた歌を悼んで
6
いつの日か愛されたいと泣く我に 小さなキスをくれた白猫
6
ごうごうと戸窓を叩く風嵐 どうか朝まで春の眠りを
4
満ちて なお積もる哀傷 「愛」はどこ?
薄紅月
(
ピンクムーン
)
の夜はふけゆく
8
デデポッポ ユーモラスかな 山鳩の鳴き声真似て急登を行く
4
儚さの輪郭なぞり生きていた
宇宙
(
そら
)
の向こうに解を探して
6
目覚めたら陽光踊る虹硝子 嗚呼、毎日がこんな朝なら
6
香ばしくタイムラインに湧く蟲の 独りよがりの昏き輪唱
1
せせらぎの地下には古き川ありと 通りすがりの老婆が語る
4
折り鶴に別れの歌をしたためて あなたと共に炎をくぐる
10
情動の河堰き止めて澱むなら 語れよ語れ迸るまま
2
いつだって我が心の
瘡蓋
(
かさぶた
)
を
毟る
(
むし
)
おまえは被害者の顔
3
月極の『空あります』に誘われて 仰ぎ見た碧
航雲
(
こううん
)
翔ける
6
ザクザクと軽妙に音立てながら 君は小さな壺に納まる
12
花散らす冷たい雨に春が逝く 天使の梯子のぼる君の背
9
蒼ざめた瞼の縁をたどりつつ 温もり探す花冷えの
下午
(
かご
)
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