朝起きて手癖でつけた冷房エアコンに身を丸くする秋のはじまり
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彼岸花猛暑の夏を乗り越えて変わらず咲くのねDNAゆえ
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雨音に こころ落ち着き スズムシの 鳴く音響く 秋の訪れ
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お彼岸のお参りすませ見る空は屈託もなく高く広がる
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秋分の朝 優しき日差しを浴び 窓辺で蝶を視線で追ふ猫
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さぁ行こう 心を紡ぐ 物語 みんなと進む この物語
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プログレの目覚まし地球は青かった回転木馬の殺人事件
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思い出が涙に見えるにわか雨今日がお別れ雨上がりまで
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理不尽や侮辱の欠片で呪ってる 家事の間に出る「死ね」の言葉で
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あの頃の君を探しているだけだ。間違い探し、しているだけだ。
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足のつり首から背中のこわばりに靴下をはき半袖をやめ/体にうながされて
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まっしろい姿で油断を誘いつつ口中やけどさせるサディスト
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空高く 響く我らの 笑い声 花も嬉しと 微笑み見えて
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執着を捨ててひらける涅槃の身身心脱落我が身よさらば
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バスに揺られ外を見ていると何モノかが迫り上がって来て気持ちを塞ぐ
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弓矢飛ぶ 一筋伸びる 飛行機雲蒼空の鰯雲切り裂き駆ける
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紅の顔見惚れし猿はすべり落ち百日紅風に散りゆく
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かわいいと 小熊にエサを 食べさせて 大きくなって 戻ったら撃つ
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青空と宇宙のはざまで漂いし「ビーフ・オア・チキン?」耳はキーンと
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軽くても重くてもダメ「愛と歌」心を掴むって難しいなぁ
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一瞬を 切り取り放つ 言の葉に 迷い戸惑う 事のはし
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母親は 幾つになりても 母親で 娘の髪など 結いたいもので
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石を這う蜥蜴や 虹色毒々し こうべを垂れる 彼岸中日
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差し出され 握り捻って みはしたが 埒も開かずに 返す瓶蓋
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残光の 黄昏に下る 坂道に すすき揺らす風 はや秋を知る
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掃除機に追い詰められてすらも尚自力で引き戸開けず待つ猫
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姑送り十年の時流れたり介護の日々も遠き思い出
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介護は一人で背負うの無理ですよデイやヘルパー頼れる場所を/きのぽ様
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介護には先の見えない辛さあり愚痴こぼしつつ日々奮闘す/姑の介護十二年
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急に来た秋に焦って七分丈 引っ張り出してアイロンかける
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