飲みすぎた 君が輪止めに 座りこみ 花びら拾えば 嗚呼春だなあ
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インターネットの 人のお陰であの小さな 花をユキヤナギと知れた
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そこに立つことはもう無いバス停の影は私の影に似ていた
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今日の〆 疲れたワタシの労いを キットカットと小さいビールで
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見てほしい ときに来ないの 貴方って オフィスの窓の 傍に居るのに
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この花を 見ればピンモン 欲しくなる リスカで染まる 腕も震えて
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いつのまに 今年の桜 準備した? 羽化するように突然開花!
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信仰を違えた神は原罪の認否を明らかにしていない
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春の夜を 謳歌しようか 赤線に ネオンの桜花 やがて死のうか
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散り際に 愛していたと 呟いて 私の知らない 街へと消えるの
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ビル風で 明日の朝には 散るようで 今宵だけでも 君を愛そう
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何がため 排ガスの中 咲く生命 太閤通りは 幾度目の春
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花散らし 楼閣ビルの隙間を 通る風 夜闇に響く 鬼の吹く笛 
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外苑の 花弁の淡きに 目もくれず 名古屋嬢は 卑しき紅差す
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いつだって 桜が散りゆく速度すら すぐ追い越して 遠ざかってく
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目の見えない猫が自由に歩いてる 今踏んでるのが顔とも知らずに
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この春にあなたは淡く色づいて一曲でいい恋のうた聴く
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母が逝き 父が見ている 寂しげに うらやましそう 祖父母の喧嘩 /息子作
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見も知らぬ誰かがつけた赤い色さみしい心に沁みる真夜中
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きみの手をとってワルツでも踊るみたいにフェンスの淵をつま先で撫でる
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シャンプーでアトムの髪型やってみる100万馬力で晩飯を食う
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緻密なる鮭の耳石の刻む波知りし後にも切り身をつつく
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妻愛でた 「追憶」の花 寂しげに うつむく小町 クリスマスローズ
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汗ばみし されど弥生の 末日で 来たる真夏は 酷暑の予感
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使い手に寄り添う意匠父のよう偉大さをまだ超えられぬ古希
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直球を狙われ力負けもさあ英明になれまだ老け込むな
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危機意識死者が出るとはから死者がニュースになって公表遅れ
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気合い入れ 多忙な仕事 こなしおり 火照る身体に 春の夕風
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「回遊魚」呼ばれて久しい私だが 今日はただの浮き輪になりたい
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身勝手に重ねて泣いて夢を見て君を応援していて ごめん
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