嫣然と笑みてウィンク女性歌手シガーの紫煙漂うジャズバー
5
でもきみがやったんじゃんって声がして目覚めたら雪 いやぼくじゃない・
4
大根の輪切り剥く手の包丁の厚み迷いて終える一周
4
大根のけちれば輪切り一センチおろせば割れて砕けてかける
3
大根のかけら入れれば醤油汁もう何日も煮つまりて黒
3
Aブロックのグラウンドなら軟球で野球するのにちやうどよい午後
2
わたしとは初めてなのに回数券取り出す彼にせつないラブホ
3
えげつない短歌ばっかり作るけど心はピュアな善人のボク
2
この歌を7日以内に7ヶ所にコピペしなさいしなければ死ぬ
5
一冬を殻に篭って耐えたんだ桜を超える君は金色
7
カウンター漫画片手に味わわず 雑に食べたいラーメンもある
6
乃木坂のビールのおまけ選抜の「二番がいい」と二歳ご指名
1
友達が一人もいないと言うのなら目の前にいる私は何だ
7
同じ香に匂ふものから梅の花遅れ先立つ色に咲くらむ
6
紅の梅に柳を靡かせて春の園こそ錦なりけれ
2
道連れがなければ死ねない弱い僕赦してください行きずりの人
2
自らの 歪んだ理性 信じれば 他人が歪な 張り子に見える
2
愛に飢え 無償の愛に 飢え渇き 悲惨な星に 生まれ育ちて
2
金が好き そう言う人を 見る度に がっかりするよ この世は地獄
1
金嫌い お金で買える ものはみな 軽蔑すれば 貧乏となる
1
女房が出かけていった 昼はカップヌードル やっぱり酒か
3
馬の背は九つの時怪我をして背負られ走る祖母の背のよう
4
紡がれる 恋の芽生えに誘われて 胡蝶も憩う  夢の花園 
7
ママが二十で雪国と訣別した理由を三十にて思い知る
5
王道な高校生や大学生 きっとそれが正しいのだろう
3
鬱陶しい名前のパン屋が建つ前に何があったかもうわからない
8
身体のどこかの『みじめ』がにじみ出し血管に列を成して巡る
3
慰めは ″止まない雨はない″ よりも ″降る時もあるよね雨″ がいい
5
先ず彼女次は誰それ安心の恐怖が続く惨劇ホラー
3
みずしらずの人間に会う夢を見る目を合わせると笑ってくれた
3