横になり目を閉じればすぐ明日になるのが嫌なんだ流れの中立つ
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無理すればたいていの事はできるけどその無理が無理なんだな詠嘆
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ただ乗りを決め込む人が多すぎる不幸は等分配されていない
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曖昧にならざるを得ないマイクラの程度の解像度で生きていたい
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今さらに大学の頃を懐かしむ皆んな頭がよかったんだね
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深みなどどこにもありはしないのよ僕らは地球の薄皮にいる
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寒さにも味の違いがありますねどこがどうとは言えないけれど
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電灯の白さは薄汚れた白で色そのものは悲しくなるね
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珪石とおなじ重さのみどりごを朝の大気はぶら下げている
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さみしさと二人で泳ぐ 冬の夜の渋谷は極彩色の海だね
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卵黄を卵白から抜き取るように意識だけ抜き取れるものなら
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やりたくないことをやらずにすますのがやりたいことをやるより大事
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BBQ火を任された消防士 昨日の今日でなんか気まずい
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安保関連法案と批判している本丸の名前出ぬばく
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光る海春先の空青い空淡き希望の粒子散らばる
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おぼつかぬ暮らしに融けて冷蔵庫の圧縮機コンプレッサの音は生きてる
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ラムちゃんをラムさんと呼ぶ誠実をかたく握って飛びあがれ いま
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春の歌詠まんとするも 陽射し翳りまだ寒き夕 如月晦日
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真っ直ぐに駅まで向かう人波の後ろにいつもより光る星
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お互いの 小さな違い 見つけても 騒ぐじゃないよ それが正常
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お互いに 似ているようだ 時として 何億人の 人々がいる
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人がいて 己を感じ 生きてみる それで何かが 得られるように
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惨めだな 認めてくれと 言い続け 愛してくれと 叫ぶ有様
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存在を 認められたい 衝動に 人はどうして 襲われるのか
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春になり 蛙が鳴けば ここにいる ここにいますと 必死にわめく
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幸せを 感じればなお いつの日か 失われると 恐れ慄く
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シガー・ロスを聴くんだね君は 油絵とタバコの匂いがするアパート
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喜べば 喜ぶほどに 悲しみが 増えてゆくから 喜べないな
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悲しみを 認めようとは しないもの 弱い者だと 思われぬよう
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君と手を繋いで歩いた商店街 あの夜全て終わればよかった
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