たぴ岡
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たぴ岡です。短歌を詠みたい。
いろんなところで詠んだもののまとめとか、心の底から湧いて出てきた言葉とか。

僕たちの青春煮詰めたいちご飴 咀嚼するたび砕けてく音
9
幸せを装うためのほほえみと、左手首を隠す腕時計。
4
君の手を掴もうとして空を切る 行ってしまうの土砂降りの中
8
指先に触れた光が広がって――、心の中になにをもたらす?
5
カラフルな夢をのせてよロリポップ 舌が虹色 未来は何色?/お題「飴」
6
カーテンの締め切られた部屋 暗闇に消えてしまいたい なくなれ私
5
布団の中で丸まっている私 今日も明日もなにもできない
7
深夜二時、低く唸る冷蔵庫。鼓動が共鳴して平行線。
8
深海の静けさに沈められたなら 私はきっと生きていけるのに
7
ねえ聴いて、船をも落とすあたしの声。あなたのことも、沈めたいのよ。/お題「人魚」
8
ビブラートきかせて叫ぶ愛の唄 あなたの胸を震わせられたら
7
こんにちは、僕らの夢まで行きましょう。手を繋いで、ほら駆け出して!
7
カーテンの隙間からさす陽の光 私の闇夜も照らしてくれれば
14
夢を見た なにをしてても辛くない涙も要らない素敵な世界
11
あいまいな気持ちもどこかに消え去って 君とならどこへでも行きたい
10
あさが来た、わかっていても動けない 金縛りでもなんでもないのに
10
午前二時生まれ損ねた悲しみに星を見上げて火を灯す
11
昨日食べたホットケーキの美味しさがきっと今ならわかるのになぁ
10
連休の末尾に来る憂うつは命の大切さをうすくする
10
やかんから加湿器に水を遣っている彼女はきっとサボテンが好き
8
お守りの鈴鳴る雪道ごうごうと揺られる私はクラゲになるの
11
一瞬で流れて落ちる生命よ 夢を乗せては消えてゆくだけ/お題「流れ星」
12
苦しみがすべて涙になるのなら、私はきっと幸せだった。
12
はらはらと周囲の音を吸いながら降りゆく雪は純粋な瞳/お題「雪」
14
「冬なのに短パン小僧を見かけた」と笑うきみの頬に口づけ
7
痛くてもおさえて血を止め笑みつくる そんな意味ない毎日を過ごす
10
思考、感情、「私」らしさを詰め込んで でも全部消してただ箱になる
9
夢の中では一日中笑ってる 起床後すぐに泣きたくなるのに
14
目が覚める また生きているから今日も自分を削って「私」を演じる
10
屋上の柵越えのぞく 地を歩く人は「幸せ」の意味を知ってる?/お題「地」
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