永遠に 思えた恋も たそがれて 時に流され あなたがいない
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さあ春と嬉し気持ちにもやかけて恨めしきは黄砂と花粉
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この街の差す傘差す傘折る風に少し迷って安物を買う
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夢で見た 森の古城に住んでいる蒼目の少女に 花梨をあげに
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電車の中では皆 一様に検索かけて 窓の外見ず
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君がいて『視線』と『視線』ぶつかれば 乱反射して街は色づく
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うつくしは 散るからなれどと 云うけれど まだ咲き始め 花に佇む
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ドラゴンとかつて呼ばれたおまえらの従兄のようになれそうになく
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まちなかを流れる小川御殿堰粋でワクワク都会のオアシス
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白黒をつけて明日のパーティーの天辺に立つひとりを決める
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独りぼっち インナーチャイルド にそっと 大丈夫だよ ゴメンねを告げ
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嵐去り耐えた木蓮白の花 気高きおもいを空へ浮べる
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蒼天のはるかを仰ぎ深呼吸 憂いも霞む 春色しゅんしょく山峰やまお
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登る陽に照らされ解凍されてゆく油画のよう海のこの街
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商店街老舗通りのアパートは便利そうでも値札厳しい
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初めての列車の旅で便座詰め四つ並んだリュックパンパン
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世も末じゃ釣られるはずのワカサギが世をうろついて人を釣るとは
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ワカサギのタネは尽きまじ平成の二条派の次令和京極派
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潜れないジャングルジムがお前の子供時代はおわったと鳴く
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寒空に 名物団子や 並びし面々 先週もお会いしましたね
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いろの無き 尖りし冬を見送りて まあるく優しパステルの春来る 
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折れた身体の 一寸先に 光見え また取り戻す 心の鎧
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「再発と 共に歩め」と 言い聞かす されど心は 闘志満々
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咲きいそぎ 去年ならもう 花筏はないかだ せめてひとひら 今年はまだか
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春の日の僕らを撫でるそよ風に睡眠薬が混ざり込んでる
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花が咲く枯れる実が生る葉が落ちるそれだけでいいなんて幸せ
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本当に本当にただこれだけで良かったものか分からなくなる
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「どれくらい」? 嬉しいことは 一番に きみに伝えたい それくらい好き!
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目を瞑り 液晶越しに 声がして 君がとなりに いる気がしてくる
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弱視には見える全てがグラス越し 眼鏡が嘘をつかなきゃいいが
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