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ただ悲し 三冠の君は
沙田
(
シャティン
)
にて 脚を砕きて 新緑に散る
4
かすむ目に読むこともなき本ならぶ棚ながむれば「ダンシャリ」ひびく
8
摘みたての 一輪の薔薇 リビングの ガラス瓶に生けし 香る朝
17
「お祖父ちゃん目も
外
(
はず
)
せる?」と真顔で問う入れ歯
外
(
はず
)
して洗ってた時
17
カタバミの花びら寄せて東風えがくコンクリートにうかぶ三日月
9
「バーベキューはしごとおおいがたのしい」と仕事をしない四歳が云ふ
13
祖父釣りし岩魚山女の串焼きを孫は並んで背中から食む
10
満開の鳥海山の渓谷で義父は絵になる釣り人となり
13
あかあいゆうがたをぼやけてみているめのようなすいでんのそば
4
去年の夏巣立ちに見入る燕来ず古巣に染みる囀ずりのなく
20
誰からも求められぬ 丸めた原稿用紙に積もるバターの銀紙
6
大丈夫? 君の猫背に 耳すまし 窓に映った 君の横顔
7
肩の荷を一つ下ろしてまた乗せた三十路四十路の
忙
(
せわ
)
しさ懐かし
33
傍らで 編み物をする
妻
(
きみ
)
が居て 平凡なれど満ち足りてをり
32
雪解けの川辺では、ヘビに食われつ赤蛙、逃げおおせし、ほっとひととき
10
あなたにも満ちる何かを知りたくて差し出すものも無くしたけれど
15
透明な心なんかはありません大体みんな何かあるので
23
お二人の関係性に触れるのはご法度ですか合法ですか
16
おやすみかおはようなのか分からない深夜3時の通知、達者で
6
あとちょっとだけ待ってれば青になるはずの信号無視する人生
9
今日もまた 踏ん切りつかず 冬物の カラーを纏う 四月後半
10
軽音は顔を出さずに吹部だけ顔出すような人が顧問で
4
抱きしめてさえもらえたらきみがいた証拠となって生きられますか
3
みかんさえむくのだるいしもういいやわたしをひとにしろナミンⅭ
3
ぼくたちは透明たちにつながれてまどろんでいた おいで、沈黙
3
昔には戻れないから祈る手に手を乗せ重ねることしかできない
4
あなたは決して諦めないからあれの元へと走り去っていく
3
あれのため命を捨てるあなたなら笑顔もすべて独り占めする
3
今年の夏は魚になるよ太平洋泳いであなたの胃がゴールです
5
あと何度空を舞うかな鯉のぼり 小さな庭に今年も揺れて
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