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欲望のままに生きたいわけでなし ただよっている差異の波まに
10
秋惜しむ 湖面に落葉 舞い落ちる 湖畔の木々は 冬支度かな
19
夕べには 久しき友と 語らいし
時間
(
とき
)
を忘れて 杯を重ねる
15
旅先の ススキの原野に 分け入りて いと足早に 秋は過ぎ行く
15
目を閉じて音に世界を感じとる。犬の散歩に追いこす自転車
8
ゲリラ雨は呪詛の響きや曼珠沙華 倒れし花の庭に秋風
17
道すがら色付きを待つ街路樹を 毎週撮りて冬来るまでの日記とす
27
空なんて高ければ高いほどかなしい 悔やむことには果てがないこと
15
ウソみたいに顔がまるいこと 写真にしたらウソになるかも、 猫
9
猛き朝 泡立つ胸に残る
澱
(
おり
)
ただいまの声おそらく君も
9
死を語る子の眼が我を抉る夜 蒼白き部屋ああどうしたら
15
夕餉すませ 風の吹きたる
家庭
(
いへには
)
にたははに実る柿は哀しも
5
追いかけてくれる優しさ期待してゆっくり歩く駅までの道
24
幼きにかげおくりして並びたる
傍
(
かた
)
への影は今はあらぬか
10
はろはろに流れてゆきし白雲の数あるごとにわれは憧れむ
5
永遠
(
とわ
)
の日にかじる果実はみずみずし 甘し酸っぱしめでたしかなし
9
哀しびは氷雨の如く
畳
(
たた
)
なづくわが
柔膚
(
にきはだ
)
をふかく刺したり
4
愛だった愛だったはず君のいた駅の名前は思い出せない
9
奪われてきたわたしから奪えない愛をもらったひとであること
6
君の名をただひたすらに繰り返すヒグラシもついに黙る 秋だね
10
剥製標本にして忘れたいことも留めてしまえる短歌
7
ひとところに留まれぬのは辛いのか降って流れて気となる雨よ
5
「恋がしたい」と泣きながら死ぬ兵隊と恋に恋して微睡む俺と
4
愛してくれていた形跡霰にして投げ付け離れてくれない
4
友だちと職場の人の中間の役目で頼む 愛したくない
10
色を持てない時期にしか行かぬ町 風で寄り集まる金木犀
9
ななどいちぶ、小さい頃はあんなにも求めた熱が毎夜のごとくだ
4
既読しか つかないLINE こぼすのは グチぐち愚痴と 濁点ばかり
10
受け取った重み抱え恨み言消していくエジソン自尊心
5
コンクール、どこか不安を掻き立てる名の液体を水で薄める
5
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