咲き誇る 桜が覆う 遊歩道 誰ぞの喩えか 桜の隧道トンネル
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もう終わりみたいな絶望感とかも春の陽気がぬるっと誤魔化す
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今度行く!家わかったし行くからね。内心来ないで欲しいあなたは
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電話帳削除していたあの娘から通じないよと言われ白切る
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感動のドラマのヤマ場で風呂が沸き「あのメロディ」に涙引っ込む
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きみとぼく コメダ珈琲 春の風 おおきなパンとちいさなしあわせ
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ね歩くからすにだって春は来てその足取りは少し楽しげ
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タヌ猫は置きゴハンいつもあるもので 通りかかるたび 二、三粒カリカリ
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あれがいい また食べたいと母が言い 今日もミニミニおにぎりにぎる
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満開の桃の花指し成る不思議孫の疑問はなぜなぜ続く
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この思い 来夏の君の 風となれ ふと僕を 思い出してくれれば
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ヘリウムをすって風船となり消ゆひとらの声だ思い出し笑
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首輪ではあまりに犬でごまかしに左手首に輪をつけている
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寒いのか 暖かいのか 迷う吾 卯月の気候と 人の心よ
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いつもとは 違う風景 散歩道 桜のトンネル 開通間近か
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ぱち むくり 目が醒め身体を起こしては カーテンの隙間 ひかる春の陽
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本日の最高気温は22℃ 「なんだか急に春になったね」
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突然の暖かい風 照る陽射し 満開予想と追いかけっこを
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いただきます感謝するのは食べられる 境遇 体 二つも持ってる
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ひときた証の残る過疎の村 遺跡にするなと山鳥の啼く
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大学へ不安をつつむスーツ着て 孫の入学曲高らかに
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雪多く 夏は猛暑と なるらしい 五尺の雪山 しり目に 電器屋 / エアコン設置は6月だって、、、
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今日一日なにか良いことあるかしら 早朝、小鳥のさえずり聞きつつ
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悲しさは深海の蒼 幸せは大空の青 迷い無き青
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失敗の小さなトゲが抜けなくて 痛みの取れない私を愛す
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そう言えば薄ら明るいこんな日に 初めてもらったラブレターかな
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起きずともよい朝が来て朝食の メニュー浮かべつ眠りの海へ
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お揃いのピンクコーデの孫と吾の 髪を揺らした桜の風よ
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桜といふ言語たどりし千年を 軽く越えつつまつげは動く
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花飾ろ 窓辺は世界の入り口で 私がいつも佇む場所で
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