この道をまっすぐ行けばあなたでも入れる檻が見つかるでしょう
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はるいろの風が心を軽くして やりたいことを自分のために
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好きよりも まず懐かしさ 込み上げて 胸は踊らず 沈んでく様
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優しさは時に心を苦しめる 別れた後に送って行くとか
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そういえば もう一年が 過ぎたのか みたいなくだり 毎年してる
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花と草 風と魚と 鳥と海 空と我らに 永遠とわなきぞはな
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故郷を離れて見ても桜とは 懐かしくまた甘酸っぱい樹
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生も死も われら越ゆるに あたはねば 望みもぞする 弥勒みろくなるはて
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たびたびの霰を降らす曇天へ居心地悪きランチのチェアー
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うずまさの みろくぼさつは あすかなる 君の手が彫る 我らのいのり
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うずまさの みろくぼさつの よこがおは ひとのぜんぶを とかし 咲かせて
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静けき夜 ひとりながむる 太秦うずまさ半跏思惟はんかしゆいの おもかげゆかし
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しっとりと包むような夜の風 目には見えねどここにも春が
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花咲けどまばらに寒き春の日に五十回目のはじめの一歩
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清らかな 水面の中の 数個の輪 石投げる事 我には出来ず
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会議後のカラオケくらいさ楽しみはリタイア出来ぬ夫のつぶやき
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押し入れのあかいろの屋根のおうちで わたしのかけらと眠るうさぎ
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今生を辞してあちらの歌会に持ち込むための詠草を編む
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月日経ち 己と君を許せない 子につみはなし 処すは我のみ
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すりきれたのんどがはなつうたごえがどこかに春を呼び寄せている
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うたかたの素敵な短歌に救われて 身体の奥の芯もほころぶ
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春が来た 桜が咲いた 動き出せ 花咲くように 笑みを纏って
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春風も 陽光さえも 透かすよな 淡く儚い 桜に恋す
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ちっぽけな吾の独り言に共感❤️をいただく嬉しさギフトの如し
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僕らの文学は あの頃に忘れた希死念慮
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「あと一歩」なんて励ますその声が崖の上じゃないことを願う
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あの日から何年経っても僕たちはふたりじゃなくてひとりとひとり
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欲しいのは確実性の生きる意味 どう足掻いても確立しません
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かどっこの家が壊される風圧で空を舞った手配書のビラ
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子還しの 罪人つみびと願う 世の親よ 生まれし奇跡いのち 等しく幸あれ
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