創造性開発遊具 ポリドロン 13歳は私より賢い
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ぬいぐるみ、「家にある」とは言わないで 「お留守番」と言う人が好きなの
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伸ばす黒髪
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春ですね、過ぎてく風の丸やかな三月の夜 猫背で歩く
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ねえきっと、大丈夫だね 真夜中の牛乳の湯気はこんなに温い
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あまりにも突然来てはひゅっと去るご飯一つも食べて行きなさい
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大降りの雨音聞いて寝ていますこの世もそんなに悪くはないね
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ご近所に牽制するため帰郷する見えぬ獣に吠え掛かる犬
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虚無なんかそれこそ虚無でぐっすりと眠れば消えるそんな程度で
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女にも邪悪さがありそしてまた清らかさもあるあってくれむしろ
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短歌って形式なのはたまたまでやむなく作るものなのよこれは
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明らかな業者アカウントにいいねされ踊る心よチュロスはパンよ
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これってさ短歌じゃなくてただ単に俺の気持ちの三十一文字だ
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金田一少年の出くわすような事件がこの頃やたらと起きる
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気まぐれに買った歌集を眺めてる案外イケてる歌は少ない
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そういえば具体と抽象のミックスがおれの歌には無いなと気づく
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三月の凍える夜に こわくない、こわくないよと春に寄り添う
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梅の花 赤白乱れて春霞 わたしなにかをわすれているわ
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シースルー そごうのエレベーターに乗る 少し子どもに戻れた気がした
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寒かった冬 乗り越えた僕たちは ほんのちょっぴり強くなれたね
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たった三文字 君と目が合う 喉にぶら下がって墜ちる
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わたしの心臓を夜の海に投げあなたを取り返したいのです
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寂しさを言い訳にして抱き合ってさらに寂しき三月の月
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久々の 友と再会 約束し 日時決めけり ウキウキワクワク
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いい加減もう閉じなきゃねこの窓を永遠の子どもピーターパンは来そうにないから
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刃渡り4センチの指揮棒で腕に刻むまっかな苦しみの五線
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七年の 闘病経て 夫に春 サイクリングに 廻るお寿司屋
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眠るようだったねとそう言われるような耽美な死に方してみたいのよ
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遺影はさ、一等いいのを選んでねあの人だって来るはずだから
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機械人 利己心だけで 動作する ロボットだらけ この世は地獄
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