あの写真 服も鞄も 見たことない 私の知らない きみが増えてく
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元気かな 声聞きたいな 濡れ枕 また会えるよね 信じて待ってる
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ババシャツ キャミソールに 替えたんよ 何処で何着て イビキしてるの
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春の日に ほのかに香る 若葉かな 生命いのちの匂い 我が身に浴びて
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いく本も ルージュが並んで咲いている 猫の額のチューリップまつり
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今季初こんきはつ 現地観戦げんちかんせん 勝率しょうりつは いちぶんのいち 100%ひゃくぱーせんと
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痩せてても すぐにわかった 我が子だと 話もできず 今日も身を売る
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最期なら 青で埋め尽くせ 深い海 そこから見ゆるは 暗黒のみぞ
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怒鳴り声 世界が止まる 怖くなる 何もできない 家も出れない
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『⚪︎ね』の文字 書かれたカバン 隠してる 母さん泣くとこ みたくないから
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肉を切る 血のついた手で 生きていく
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MCを火工パイロが照らし伝説の四人が集う舞台を嘉す
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好きな女の夢を見てそのまま起床はしたくない。
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雨が降る 世界を私と遮断して護るかのような雨が降る
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ゴミ燃やし煙ばくばく。いつしかは僕もゆくだろう。人はゆくだろう。
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「たび」したい。ほんのひと月ばかりだけ。 目的もなく「りょこう」でもなく。
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雨音のひねもす耳に囁けば みずのなかよりそら見るに似て
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磨かれた金貨のごとく黄水仙去りゆく冬へ餞の道
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独寝ひとりねは寂しい ほんとは今すぐに走っていきたい 夜空を裸足で
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ぼんやりと雨の気持ちを考える「俺達なが〜い線じゃね」「それな」
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イマジナリーフレンドとして温かく、時に冷たい自販機だった
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気づいたら今日も終わってくのですね コーヒー飲んで少し抵抗
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ラブコメの主役のようなリアクションするんだ君は二重にすると
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わづらへる人の涙を種として咲かせ願いを 砂漠なる薔薇デザート・ローズ
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花揺れるふたりの逢瀬約束は幼い指にひかりの指輪
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日曜に帰ると息子にラインする お疲れ様のスタンプ届く
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慣れぬ手で 五十路の親父 洗いつけ 落として割れた 癒やしの器
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ユニクロが服着て歩いているような君と暮らしてやろうじゃないか
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手癖なの、紙を小さく折り畳む、ドアノブ近くにただ一人居る
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観覧車が止まる瞬間なんてない 見えないものはないのと同じ
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