悲しみを 認めようとは しないもの 弱い者だと 思われぬよう
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君と手を繋いで歩いた商店街 あの夜全て終わればよかった
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愛してよ すべてのものが 訴える 気で触れたか 悲しみの歌
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夜 君と秘密の会話をしていれば いつしか寝息が耳をかすめる
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やさしさは本気にしてていいのかな 子供のころの遠い約束
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血の味が消えないこんな雨の日はうらぎりものの話をしよう
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また赤だ急いでる時ほど赤だ イライラ緩和脳内娯楽短歌作ろう
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先ほどの吐いた言葉とは裏腹に笑顔になったりしてるもんだよ
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春風を触ればきっと感触はあなたの耳朶みたいに柔い
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来世はいらないと君は言う その瞬間とき 私たちは永遠となる
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梅の花折りて挿頭かざせば香り立つ如月の雪落つる衣手
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トンネルを ぬけるとそこは 雪国と 聞いてはいたが まさにそのもの
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窓開けて流れの中に手を漬けて風のぬるみを確かめてみた
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若人の夢を喰らっていざ走れ!三万匹のマレーバク達!
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肩車 ふたり笑った 乗るはずのバスと夕陽を見送りながら
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ヴィーナスとジュピター今日もランデヴー ビルの谷間で西陽が灼ける
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梅ケ香に誘はれてだに来ぬ人を雪消えなばと何頼みけむ
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このヒジをコートのヤツらに見せつけろ ことしの半袖いちばん乗りさ
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終日ひねもすを外挿すれば緩慢な冷温停止が待ち受けている
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八時間寝た光を浴びた花を見た 帰ればそこに生活が居た
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自らを量り売りして一もんめ 実に烈しき緩慢な死よ
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可愛いし飽きたら食えばいいんだしミニブタこそはペットの王者
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キミとボク 向かい合わせで ちらし寿司 いつかなろうね 高砂人形
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父親は時々いない方がいい子はノビノビと 時々だからな
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若者に一言ちくり言いたくも回転寿司に行く金もなし
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泣くことも吐くことも苦手です。心殺してえずいています。
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ワイシャツはくしゃくしゃ髪はぼさぼさで貴方に渡す花だけが綺麗
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おい誰か拾ってくれよこのバトン拾えよ私走ったんだよ
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プリズムが メガネの端に映り込む あなたは今日 橋を渡った
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さっきまで生きてた母の体温のまだ残る背に手を差し入れる
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