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投稿数
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いつまでも群れに入れぬままでいる せめて背筋を伸ばすことしか
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世界から消えてなくなる夢を見た 朝の光に血脈を透く
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幸せは案外そこに落ちていて踏んだ痛みで気づいたりする
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いつからか背に寄り添った諦念の顔をまだ見ぬふりをしている
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歳ひとつ脱ぎさるごとに柔くなる 幼さゆえのこわばりを解き
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一番に挨拶したい人がいて響く鼓動と秒針の音
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錆びついた故郷の外を知ってなお時折よぎる寂しさがある
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鮮やかな靴下を履く うつむいてしまった時の励ましとして
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過ぎてゆく時の速さに溺れぬようきみを楔と定めていたい
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雲間から光の燃ゆる眩しさにままならなさを隠して生きる
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舟を漕ぐ母が歌いし子守唄 眠れぬ夜は胸に起こして
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点々と影になりゆく鴨の背に寒くないかと語れば羽音
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見た目より中身が大事と言う口で綺麗なパンを選んで食らう
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ブレーキをかけてしまった感情にもういいよってねぎらう夜更け
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多じゃなくて個になりたくてもがいてた 白い校舎に捨てた青春
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死ぬときは傍で見ていて人生で吾の一等まばゆい姿
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舐められぬ強さが欲しい ばってんを刺されたひとつひとつに刻む
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優しさに触れて自分の醜さが二人の部屋にぽかりと浮かぶ
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突然の雨に濡れてはいないかと六駅先に馳せる愛情
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本棚にまどろみと在る本たちをそっと目覚めに誘う指先
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とぐたびに米は濁りを脱いでゆく こころの脆い皮膚を流して
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さよならが言えないままに情ばかりふり積もっては動けなくなる
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炭酸の抜けたジュースを飲み干した  輪郭のある終わりが欲しい
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