Utakata
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てんてこ麻衣
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実体験を短歌にしようとしています
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煮浸しの甘長とうがらしの先 齧りて流るつゆの琥珀色
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少子化は女の無言の抵抗と聞く 頷くような生理痛
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学校のプールは地獄のように冷たいらしい子の眼は輝きて
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母が死ぬ夢を見た。起きて安堵した。十年前の経験だった。
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ブラジャーを買ってもらえなかった私のおっぱいは今もしょんぼり
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バスを待つ老婆の指と指輪との隙間の三日月形の年月
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撮れなかったよ写真なんて余命あと少しなのバレちゃうの怖くて
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シロップでびしゃびしゃにしたパンケーキこれでいいのだ失恋の朝
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あの水たまり凍ってる踏んでみる私をこどもに戻す音がする
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震災のがれきに雪が積もってく潰されてまた塗り潰されて
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ドライブの好きだった母今ならば分かる私も遠くへ行けたら
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六歳の子にブチ切れている私 二十年後の私よ助けて
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君におやすみは言わないおはようを送ることだけ考えて寝る
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私と子のみで焼肉食べに行く店員さんは少し優しい
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植物に水やるみたいに「かわいい」と「大好き」を子に言い注ぐ日々
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「残業」は送迎夕飯風呂寝かしつけ全て回避できる特権
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保育園でお団子食べたと聞き気付く手繋ぎの帰路月はどこかな
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沖縄の宝石のような青色を持ち帰りたくて探すシーグラス
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例えれば水の戯れより水の反映の方が好きな子が良い
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ピアノ弾く君の大きな手と指に、全てを込めて「蜘蛛みたい」とだけ
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「予後は半年」教科書の通り逝く 最期まで真面目な母でした
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弱りたる金魚を最期は我が家でと三百円で持ち帰る夜
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この列はかき氷ですか唐揚げですか五年ぶりの花火大会
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コーヒーをこぼした部屋は喫茶店めいてジャズなぞ流したくなり
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アスファルトの上涼しげに転がりぬ羽化できぬまま死んでゐる蝉
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心臓の鼓動か地震かこの揺れを布団と同化してやり過ごす
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生きているように抜け殻つまみたる 命吹き込む五歳の右手
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初めての彼との花火大会の花火は一つも覚えていない
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告白をしなかった恋はいつまでも心に残る線香花火
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仕事場に電話をかけると普段より優しい声の母の「どうした?」
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