さいきんは にょしょうだんだん いとわしい すっぱいぶどう とれないぶどう(笑)
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受け売りの言葉で覆った平和などやっぱりまがいものでしかなく
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やらなくちゃ 義務を負わされ やる気なし 義務も責任 も大嫌いで
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エスカレーター のぼるときその先が見えないことを希望と呼ぼう
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きみは星 夜がこんなに似合うからなんと言おうとぜったいに星
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またあした 君のその声100年後 まるで当たり前みたいに聞きたい
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母のこと 褒めることなく 雲となり 数ある長所 空につぶやく
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いつからか失くしたものにわがいたはる心なきやとポケツトまさぐる
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鍵かけて 開かずの扉に してしまえ その鍵すらも 捨ててしまえよ
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あかねさす陽のしたたかな堤にて春負け味の食麺麭パンめる
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ねこだって ねこのてれびは きになるよ ねこのなかまが うつって うごく
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エプロンはハチマキと一緒だ きみは結び直した
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冬支度 敷物替えて 引き締まる 心身共に 夏を脱ぎ捨て
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結局さ、どっちがいいのか教えてよ 見る前に跳べ/跳ぶ前に見ろ
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明日は誕生日ヘッドホンはめる時計の音が聞こえないよう
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自らが作ったまずい一人飯口内炎を気にしつつ食う
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ガス器具の 点検予告 すわ(強盗)下見 きたひと笑むと 歯の矯正具
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彼岸花 縁取る黄金こがねの 水田に 微笑み浮かべ まどろむ亀石
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暮れなずむ空伸びる影金木犀ふたりでいてもさみしい季節
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談笑の輪から離れて歩く道夕映え淡く川面を照らす
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天橋立股のぞきする景色まるで変わらずがっかりである
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屠殺所に牛はモーと啼き死んでいく象は必ずパオーと啼くのだ
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終わるのも始まるもよし秋の日に私はひとり点景となる
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動けない鉛のようなこの体 キッチンに立つ息子きみ頼もしく
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希望、困難、希望、困難、希望、困難、希望 夜道の街灯
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お疲れ様、ぼへ様 ねこ母も雨降りがち 旦那は「さすが!(また雨!)」と拍手するばかり(苦笑)
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あさつゆの のこる葉先が はみだして えだちょんぎれば とげさしゆずの香
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めざめれば あまどしめずに 四時すぎて よわけあかるい ありゃ十六時
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通院の度に豪雨に見舞われる前世で何か罪を犯した?
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冷やご飯つやつや光る炊飯器おまえはきれいおやすみなさい
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