笑う君、フラワーガーデン、眠る君、黒い人たち、線香の匂い、
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意を決し 全部屋エアコン 稼動させ 罪悪感で 掃除はかど
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目に見えないものが見えると言う前に目に見えるもの全てを見ろ馬鹿
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肋骨が折れてよかった曇天の少しずつ降りてくる日だから
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仕舞ってた傘を頭上で開くとき降り注ぐおばけの骨や歯や
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読んでいた本に意味のない蛍光ペン眠りに落ちた瞬間が凍る
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我が友の 認知が進み 混乱の 一人生き行く 辛さ身に沁む
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愛がある限り戦争はなくならない どこかで聞いた言葉が重い
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我が声よ 帰る道さへ わからぬか 耳をすませば やまひこそ在れ
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涼を呼ぶメントールに助けられ年々重い夏をなだめる
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空よりの 使者かと見紛みまがう 水色の トンボと一緒に 羽を休める
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回り道 神社のもりから 涼風すずかぜ流る 土と緑の 恩恵なりや
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言葉などいらないという言葉など聞くな独りに鳴けつばくらめ
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さまざまな眠たい顔を乗せ走る 始発中央線堕落行き
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ひと時の まばゆい光 天の花 夜闇に残る 星の輝き
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筋トレや怒りぶつける類だと思えば重い荷物も上がる
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傘さして 右に傾けど 離れるきみ 拗ねたいかり肩 濡らす雨の道
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「もうこんな時間だよ」って電話越し君が教えてくれる空色
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子の為に 泣いてあげるが親ならば 泣いてやれない 我親にあらず
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海底に 埋もれし遺骨 三十五万 遺族のもとへ 帰れるものか
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夏雨の楼門くぐれば玉砂利の雫の音みな回廊に満つ
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夏の日のかたぶをちの森陰に西こそ秋とひぐらしの声
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洗い髪 ふわっと軽くなめらかで 我の心もこのやうで在れ
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代替わり縁起でもない 今日までは キッズハンカチ トラさんのやつ>母、トラ年
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何もなくただ淡々と過ぎていく そんな日常幸せなこと
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年休を 取れと言われて家に居て 家事する妻みて こころそわそわ
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ASEANの 人権阻む 後ろ盾 日本の使命 尚果たし行け
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一夜漬け睡魔に抗うノートには迷走台風のよな筆跡
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別れ行く 妻と食べし 丸亀の うどんの味は 忘れられず
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我が友よ 唯一残る 弟の 行方尋ねる 思い悲しき
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