すいっちょんだけがわたしのそばに居る梅雨もくすぶる生温い夜
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わたくしが無邪気に握る剥製よ可哀想だね光みたいだ
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来世でもも一度会おうと言われたな足元のアリ踏んじゃならぬな
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湖底なる幾夜もの光の墓標まもらふきみは木蔭で咳をす
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初イチゴ烏に先んじ摘む夫を憎っくき敵が屋根から見てる
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六月の炎天だとて引きこもり復活二刀流見逃すまいと
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とくに好きというわけでもない色にやたらと縁があって(それだけ)
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カッポカッポ お馬の様に歩いたね もうもう動かぬ愛犬キミのその脚
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「行って来まーす」ふと振り返るベランダに淋しそうな愛犬キミの姿が \ 若かりしキミ
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長い茎伸ばし咲きたりアガパンサス 夜空昇れる花火の如くに
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根拠無き光降りそそぐ散歩道体は軽く言葉はいらぬ
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あの夏の 全てを映す カセットは 君の心に 置いてきたまま
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紫陽花をせめて見た気になりたくて 絵ハガキなんか届かぬだろか 
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六月の記憶の中の梅雨時つゆどきは 雨に震えて長袖着てた
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フランスに「ダ」の字を入れるとフラダンスとか思いつつ初夏の午後二時
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風になびく君のくろいかみ 少し振り向いて、あかいくちびる
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マンドリン少し 音は鈴虫みたく
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皮ごとに ぶだうの房にかぶりつき 陰圧をかけ果糖を飲み込む
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梅雨も多分 休みたいときあるんでしょ 昨日の怠惰 本日配送
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紫陽花は外の方から染められて色の調合できるまで待つ
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ひとりだと思い知らせて欲しいとき そっと寄り添う僕のイヤホン
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熱中症 アラート出てる その時間 メロンの苗に 水をやらねば
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ハクビシン カラスの被害 防ぐため 防鳥ネットを 張り巡らせた
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モロコシを 収穫したら おいしさは 買ったものには 及ばなかった
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君を待つヒールに泥が跳ねたのは 紫陽花ばかり見ていたせいだ
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真上から お日様照らす 禿げ頭 麦わら帽子の 天頂抜けた
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現実が 望みどおりに なるほどに 良からぬことを 望まぬように
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夏至前の強烈光線耐えかねて マッチョな俺がついに日傘を
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「あの人が好きな曲は?」とパスワード忘れて秘密の質問される
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梅雨明けはまだ先なのに 背を伸ばし 夏を待てず開花す向日葵
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