山は紅遠きことこそ美しく鮮明である息一つ吸う
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朝冷えて 茶っぱも入れずに 湯を注ぐ 寝間着のままで 白湯をたしなむ
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秋雨に はぜた木の実が 濡れている 目で拾っては 心の奥へ
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「これからよ、人生は」などと言われをり笑顔で隠し途方に暮れる
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Amazonで売ってはいない優しさを集めて夜を乗り切っている
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森永のミルクココアをちと舐めて違和感覚え塩見がきつく
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読み返す 十年日記あと僅か 秋入り作る 干し柿、甘酒
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太極拳見つつ杖つき歩く道 小さいあかの落ち葉ふむ
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街灯を 夜霧がつつむ ぼんぼり雪洞をはり生きる 人の行く末 / 冬のおとずれ
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アマゾンのビデオ・リモコン作動せず「中国製」と知り返品しにけり
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黎明の 秋風たなびく 茜雲 霜月の空 ひとり眺むる 
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熱海旅行 二人で作った ビンゴのやつ 中だけ空いた 野良猫の欄
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三度目のスヌーズ、畳まれたパジャマにそっと目を閉じて
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雨語る 「今日の仕事は めときな!」 たまにはいね 晴耕雨読
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Losing music, losing color from the world ─ いつも君から始まってたじゃん
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青梅の固さ君なぜ早まりぬ根白の坂に残されし我
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ただ一度、犯した罪を、悔いる君に、失態の一つ二つは、雪解けの春🌸
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貧しくも、心の錦胸に秘め、 清き花にも、感謝忘れず。
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シナモンと恥を混ぜたよ ごめんね チョコ・ヴァニラ・エンタテインメント社
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あなたの顔思い出させる筆跡よ その無骨さに勇気を貰った
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心地よい深海のような25時 このときだけが ホントノジブン
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離職者の絶えない愉快な職場ですあなたがいることだけが光で
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わからないわかりたくない履き違え土足で上がるあなたのこころ
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〈家出なう〉つぶやいた手でたんぽぽをポケットに入れ 〈with outなう〉
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喉鳴らし わたしのもとから離れない 「不幸」という名のいっぴきの猫
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都合よく私と僕を使い分け彷徨う歌に俊毅はいない
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腹側にSEIKO製とあるのでは毎朝四時に起こしにくる猫
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毎夜見る 肉の悪夢で目を覚ます 日ごとわたしがけずられていく
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青春の消費期限は疾うに過ぎゴミ箱の前立ち止まる僕
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口語文語交互に一つ二つつ歌つくりしてなべて破りぬ
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