我慢して耐えて作って限界が来て壊れたら無が追ってきて
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当然の如くに何でもやりこなすクラスメートに嫉妬したりて
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あれはもう何時だったかと言う祖母の不思議な顔を見守りし日々
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飛び込みてプールの底から浮かび来る君の素顔にこぼれる水が
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指先の頼りなき吾に取り変わり昆布巻きは夫がしっかり〆る
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つきたての餅にもち菜と鰹節尾張の雑煮シンプル旨い
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真夜中に四往復するブランコの弧を描くような私でいたい
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蒸し上がる湯気の香りにせわしげに揺れる年の瀬餅つき機の音
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あの帽子可愛かったよって帰宅後にLINEで寄越す照れ屋の彼氏
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三日経ち兄は隔離で階段の上と下とで歓声交わし
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当てずっぽう開いたページの歌を読む開始十分前の病院
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行列の先頭に立つ後ろから押しかけてくる歳末の咳
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あくび時 顔上げると そこは雪 見慣れた景色 夢での挨拶
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「か」のつくもの 2つ忘れて 出かけそに「鍵」と「カイロ」だ 危ない危ない(汗)
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流れてく街の光は頼もしく また来年と手を振っている
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向かうのは数百キロ先帰れる居場所 みんないる街暖かい家
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くらやみにざわりと濡れる手の甲で気付く存在いぬのぬるい息
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ねこたちは ことしラストの かんづめを たいらげうまうま おかおをあらう
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祈るだけ祈ってもよき(願わくば)無病息災 程遠くとも>年賀状
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貼るカイロ無しではもはや過ごせないルームウェアのお腹にペタッと
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僕は、今 幸せです!! 八時間 も寝れてるし、 羽毛布団で!
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痛いまで手先の冷える年の暮 あきれるほどの快晴なのに
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大納言 小豆しょうずの袋に ハサミ入れ ゴング鳴ります まず餡子あんこから / もはや儀式
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まばたきを知らぬまなこで蔑んでふわふわの足で踏んで裁いて
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里帰る息子の土産は酒一升 一夜で呑み干すうわばみ一家。
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早いけど 年越しそばで 労ひて 明日も仕事 気を緩めずに
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座席を取ろうとする人の素早さ 全然立ってられそうな脚力
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寄附金を残して師走暮れむとす 今年の私のふるさといづこ
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頭からつまさきまでを貫いた まばたきの度ひかる青雷
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年の瀬に友の新居を訪問す 少し歩くが閑静な町
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