冷やご飯つやつや光る炊飯器おまえはきれいおやすみなさい
8
街中で涙まじりの嘆息を漏らしたるそんな日もありデクレッシェンド
11
こんぴらんさんこんなのはいかがかな「能ある鷹も時に爪出す」/シャキーン!
10
玉葱を植えてる間に昼飯の稲荷寿司二個カラスに食われた
12
車出しひと月ぶりに母乗せて病院へゆくいたわりあつて
14
エラーから失点重ね自滅する、ヤンキースとか自民党とか
13
大谷おほたにに熱かりし秋は往き暮れてようやく扇風機ファンとのわかれぞきたる/来年のBSにもう期待
11
かーてんの かげからそっと みつめる おやつまだかな おやつまだかな
17
僕は化石だパキケファロサウルスだ 布団の地層の奥底で眠る
7
食えばいい「アイス食べてもいいの?だめ?」許諾するたび親でなくなる
8
青と白 左右異なる靴下で駆け回れる子が育ちました
18
置きわすれられしニットのセーターに顔うづむればにほひなつかし
7
落書きのアートのあまりのみごとさに尻を拭くのを忘れて出ちゃった
8
五七五は顔と体幹 七七は足腰性器 歌になる僕
9
古着捨て「大好きだつた」と子が泣ひて罪悪感のもえるごみの日
16
おこったらこわいんですよ かみますよ されるがままのおじいさん猫
15
秋曇り 風無き道を 一人行く 見上げた空に セキレイ一羽
11
気まぐれな蝶さながらに潮風に吹かれ彼女は海路ヘいでん 
12
ご時勢も見なきゃ駄目だぞと無口な厳父ある時言いおり
7
お菓子のもらえないタダ働きのお茶係 ハロウィンの職場
7
悪質な誹謗中傷受けた人 大人対応されて感服
11
得意げにバケツに入ってみるものの派手に転んで一歳は泣く
17
夏過ぎて早くなりゆくバイバイの時間に寂しさ漂う夕暮れ
16
次世代を 愛し育み 育てれば 年金少し 減らしていいよ
6
大人らの 都合に合わせ 生きている 子供らたちの 声を聴き分け
6
幼子の 手を取りなぜか 懐かしい ずっと昔の 幼子の頃
6
まだ生きて 善を行い いい人に なろうじゃないか 老人達よ
6
人生は 夢か幻 先人が 残した言葉 ズドンと来ます
6
一瞬の 時を捉えて 人生を 語るべからず 時は流れて
6
美しい 姿形も 彼岸まで 茎は腐りて 土に戻りて
5