地獄では 鬼が主流で 当たり前 肩身が狭い まともな人は
4
ひと月に 五十万の 抗がん剤 払う限度は 一万八千
11
年齢や 姿形に 騙されず 心の内を 見るようにする
4
子供でも 大人のような 人もいて 子供のような 先生もいる
2
敵味方 はっきりしたな これでよし 自由の旗に いざ集まらん
3
娘から 一年間は しゃべるなと 言われてやっと 一年たった
3
しゃべります しゃべれる人と しゃべります 合わない人と しゃべりませんが
2
言いました 言いたいことを 言いました 少しぼかして これでいいのだ
3
不規則に動く ロボット掃除機に乗って くるくる回転す猫
24
あなたのサシスセソの発音が好き他の人を思いながら私に優しくしてくれるのも、好き
3
カラスが鳴いてる私は一人雀が呼んでる私は一人、でもないか
3
我が部屋に恋しき人や入りにけむ思うだけならいいじゃないか
5
一首ずつ メモ取り日々を 過ごしける それにつけても 早期復興
6
イベントで 心安らぐ 仮設帰路 それにつけても 早期復興
2
夢に見るは 旅先の名物料理 それにつけても 早期復興
3
珈琲の 香り楽しむ 日々戻れ それにつけても 早期復興
4
アサツキを 取って食べて また取って それにつけても 早期復興
3
蛙の声 肴に宵の 缶酎ハイ それにつけても 早期復興  
4
物価高 卵ごはんの ありがたさ それにつけても 早期復興
6
値上がりに 自宅再建 遠ざかる それにつけても 早期復興
5
花がらを摘みて狭庭を見回らば蕾の横に清しき朝来る
39
山笑う 緑の隙間に のぼる鯉 ゆらりゆらりと 黒 赤 青
21
行く末に重き果実る恵み秘め花梨の淡いもも色の花
27
しょうがない 仕事行こうと 起きかける 休みと気づき うれしくて起きる
21
ふるさとも六十年むそとせへて新天地。ハイウェイそばの病院へ向かふ
7
清流に 映える桜の花回廊 桜嵐儚き観音寺川 
21
真夜中の 自分時間に流す音 70年代もいいじゃないか
10
花散るも知らずに過ぎて はや五月 心リセットシフトを作る
8
遺影見る 額の皺がなんとなく似てきたような もうすぐ六十
12
調子良い習慣の破壊おめでとう! 外では雨が拍手している
6