食べていい食べたらあかん食べるべきいちいち指示する食えない奴め
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入浴は湯船に浸かる温もりがシャワーには無い贅沢である
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恋心載せてしまうには重すぎてただただ見送る花筏かな
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大切な ニュースもあるが 様々な ことがあるなか 野球が救い
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風呂好きで長湯楽しむ事がいま経済の波に飲まれて浸かる
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意識飛ぶところどころにいる私なぜだかいつも謝っている
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今日もまたひとりの時間を作るためなんとはなしに夜が更けて行く
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入浴剤貰っておいて言えないよ『風呂キャンセル界隈』なんて
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一段と痩せた様子の兄に会い「お時間です」と追われるように
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息継ぎのつもりが溺れていたらしい 引くと信じていた波は海
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「踊ってる絵文字は俺もよく使う」被った猫の柄も姉弟きょうだい
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責任をすべて私に押し付けて開けられなかった封を切るおと
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春なれど 油断大敵 風邪気味だ ヒートテックは まだ手離せぬ
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適当に切ったりんごにまぶす砂糖 適当に加熱 焼きなのか煮か
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嫌われる勇気といえど 限界は あると思ってため息をつく
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雨のあと 新芽の先が 陽を受けて 眠りから覚め 伸びをしている
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もしかしてねえねえあのさなんだっけ 最近二歳きみが覚えた言葉
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おりがみのひとつの悪い例としてせんせいが挙げたわたしのさくら
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親子鹿食を求めて我が近く共に歩かん多様性かな
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先人がつけた道筋ただ歩み ふと見回せば 叢の中
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天使たち七回目にはゆっくりと吹いておくれよ口付けを待ち
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図書館で順番待ちの多い本ブックオフでも値段お高め
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なんとなく夏のにおいがしてるような長袖シャツじゃ暑かった午後
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明日あすは謎今日の気持ちもわからない僕は風になんてなれない
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夕暮れはパステルピンクこの空の生きる時間はとても短い
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しなしなのチョコモナカジャンボをかじる 「優しすぎる」と振った人有り
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美意識の氷大国になり果てた ビーナスたちの完全世界
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一面に敷き詰められたる大理石縞の流れをざっと横切り
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幼き日飽かず遊びしお手玉のまろさ思はす八重の桜は
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「受け取って」ティッシュを配る青年を みな目を伏せて避けて通る夜
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