流れ行く 明日も今日へと 過ぎるなら 昨日も明日と 変わり行くかな 

恋人よ今私の目の前におりこれから先も目の前にいて 

ふらり寄る家の近くの純喫茶煙草といつもの味カフェ・オーレ 

雑踏が 途絶えた街の 美しき 瞬く月と 信号機 

「髪の毛を少し短くしすぎたの」言い訳のサングラス『ノルウェイの森』 

仰向けにさせてみたってリラックスできないようだ我が家の猫は 

正直に気持ちを伝えてさえいればただそれだけでいいかもしれぬ 

泣くまいとこらえる君の ぼやけゆく想い乗せ線路は続く 果ては見えずや 

黄昏にビルの隙間を眺むれば寂しからずや一片ひとひらの空 

枕元置いた眼鏡は夢のなか度がきつすぎて今朝も盲目 

珪藻土の床に大の字 ひんやりな頭の上を西日が撫でる 

紫陽花の 紫よりも うつり気な 君の気持ちを 雨にたずねる 

冷蔵庫 深夜に開けばやわらかな光わたしはここにいたのだ 

放送の終わったFMラジオから宇宙と地球の摩擦音する 

ああ壁よ扉よ床よ天井よ 今日もひとりっきりをありがとう 

煙より フラリと消える 君だから せめて夢では 抱きしめさせて 

胎児みな宇宙飛行士 最果てに投げ出されるみたいに生まれる 

シャボン玉壊れて消える瞬間にお願い事をすると叶うよ 

鼻唄のメロディはいつも楽しげでただこの唄はいつか終わるね 

さよならは言わないつもりと決めていていつもまたねと言う私だけ 

海を見る海を見ているつもりでね私が見ていたのは境い目の青 

幼子の駄々をこぬるを見つめおり私は違う世界に生きる 

美しく正しく生きてくださいねそうして嘘がまた増えていく 

笑顔がねきみのえくぼをつくるけど尖った爪楊枝は口の中 

ベッドではねむりにはいる瞬間にいつかの残像ふと思い出す 

街歩き電車に乗って人と会い私は密かに十字架を切る 

頭胸左右両肩指二本十字架を切る朝がはじまる 

労働と酒と男と女とでこの世の63%ができる 

音のない世界に生きる人想うそれにはそれの豊かさがある 

風強く夜闇煙草に火をつける庇う左手女のまつげ